妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

「……まだ、そういう話が出ているというだけだ」
「私はそんなこと、全然聞いていなかったのだけれど?」
「いや、だから今から報告しようと思ったのではないか」

 レセティア様の言葉に、お父様は怯んでいるようだった。
 それは当然のことであるだろう。レセティア様は、すごい剣幕だ。あれは誰だって、そうなるものだろう。
 それにこの場には、他にもお父様を睨みつけている人達がいる。お兄様方も、今回の件を聞きつけて集まったのだ。

「父上、クラリアに対して婚約を申し込んできた者がいるということですか? まだ十歳のクラリアに求婚とは穏やかではありませんね」
「アドルグ、話はあくまでも家同士の婚約の話だ。ドルイトン侯爵家からそういった旨の話があり、ご子息の相手としてクラリアが良いと思ったらしい」