妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

 その言葉に、私はロヴェリオ殿下と顔を見合わせることになった。驚いて彼の方を見たら、彼も私の方を見ていたのだ。
 つまりこれも、いつものヴェルード公爵夫人ではないということだろう。というか、今の言葉は一体何に向けての言葉なのだろうか。

「まあ、あの人とカルリアの子供だものね。それは当たり前かしら?」
「え、えっと……」
「抱きしめてもいい?」
「あ、はい……」

 私が頷くと、ヴェルード公爵夫人がゆっくりと姿勢を低くして、そっと手を伸ばしてきた。困惑しながらも、私はその抱擁を受け入れる。
 どうやら、先程の発言は私に向けてのものだったようだ。夫人がお母さんとは友好的な関係であるということは聞いていたが、私に対しても友好的ということだろうか。