妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

 ヴェルード公爵夫人とお母さんがかつて主従の関係にあったとしても、それで浮気を許すという訳でもないような気がする。むしろ怒るんじゃないかと、私なんかは思ってしまう。

 考えれば考える程、この問題はわからなくなってくる。
 そこで私は、考えるのをやめた。お母さんもなんだか、全部話しているという感じではないし、考えるだけ無駄なのかもしれない。
 二人の仲が良いのは、私にとっては悪いことではない訳だし、そういうことだと思っておこう。

「お母さんは、いつまでここにいられるの?」
「ああ、それについてはずっと……」
「ずっと?」
「ええ、ここでお世話になるということになっているわ」
「それは……嬉しいね」

 私は重要なことをお母さんに聞いた。
 それに対して、何よりも嬉しい言葉が返ってきた。
 これからはお母さんと一緒にいられるようだ。それに私は喜びを感じながら、笑顔を浮かべるのだった。