妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

 私の言葉に対して、お母さんはゆっくりと目をそらしていた。
 娘である私は、それがどのような意味があるのかがわかる。多分、私も予想というものは当たっている訳ではないのだ。
 とはいえ、外れているという訳でもなさそうである。その微妙な反応からは、それが読み取れた。

「何か間違っているの?」
「……ええ、その、私は元々ヴェルード公爵夫人に仕えていたメイドだったのよ」
「え?」
「それから奥様について、こっちに来て……色々とあったのだけれど、奥様とは今でも良好な関係を築いているというか、繰り返しになるけれど、寛大な心で接してもらっているの」
「……よくわからないや」

 お母さんの説明に対して、私はあまり納得することはできなかった。
 お母さんとヴェルード公爵が浮気した結果、私が生まれた。それは紛れもない事実であるはずだ。それが問題だったから、私は二人の令嬢に罵倒されたりもした。