妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

 長い沈黙を破ったのは長女であるイフェネアだった。
 しかしそれも、なんとか言葉を絞り出したという感じだ。それを悟ったアドルグは、ゆっくりとため息をつく。

「少々理解できない事柄ではあるけれど、姉上の言う通りと言えば言う通りでしょうね。まあ、喜ぶべきことなのかは少々考える必要があるとは思いますが……」
「ウェリダン、もちろんそれは私もわかっているわよ? とはいえ、クラリアが生まれてきたことは喜ばしいことではあるし……」
「姉上、それは僕もわかっています。しかし、貴族にとってこれは重要な問題です。それに父上と母上の道楽によって、一人の女性の人生が狂わされている訳ですからね」
「それは……そうだけれど」
「……いえ、僕もクラリアのことを否定したい訳ではありません。どうやらこれは、僕達にとっては中々に厄介な問題ですね」