妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

 それを認識したアドルグは、ゆっくりとため息をついた。彼女達の根底にある高慢さというものが、そう簡単に取り除けるものではないとわかったからだ。

「無駄かもしれないが、一応言っておくとしよう。あなた方にはやり直すチャンスが与えられているということだ。これから父親ともども心を入れ替えることだな。今回がこれで済んだということが幸運だったと思え。次は命すら残らないかもしれないぞ?」

 アドルグは、二人の令嬢に対して忠告しておいた。それを彼女達は黙って聞いている。
 忠告が心に響いているかどうかは、アドルグにはわからなかった。ただ彼も、これ以上何かを言うつもりはない。彼が言葉をかけたのは、あくまで心優しき妹に倣っただけだからだ。
 これで生き方を改められないなら、所詮はそれまでの話である。アドルグはそう結論付けて、今回の一件について一区切りつけるのだった。