妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

 自らの父親に痛烈に批判されていることに、二人の令嬢はその表情を歪めている。それは自業自得ではあるのだが、それでもアドルグは彼女達に対して幾分か同情していた。二人の父親の言い分が、あまりにも醜いものだったかだ。

「ドルートン伯爵、それからカラスタ子爵、あなた方は何かを勘違いしているようだ」
「勘違い?」
「そ、それはどういうことですか?」
「当主というものは、責任を背負う立場です。家に属する者の行動の全てが、自分達に返って来るものだということをあなた達はわかっていない」
 
 ドルートン伯爵とカラスタ子爵は、貴族の当主としては不適格である。アドルグはそのような結論を出していた。
 二人の令嬢を家から追放することによって、今回の件を手打ちにする。その結論は変わっていない。しかしそれでも、アドルグは二家に対して指導をする必要があると感じていた。