その日、行きつけの大学病院の医者はこう言った。
「残念ながら、日浦桃子さんは後1年ほどしか生きられないかと…」
「そうですか。ありがとうございました」
お礼を言い、診察室から出てきた私は医師から渡された処方箋を冷たい目で見ながら歩いていた。
「(また同じ薬…病気の進行を遅らせるだけで、治療でもなんでもない。私の病気に治療法なんて無い。
______あと1年、か……)」
なんとも言えない気持ちで下を見を見ていると、ドンッと誰かにぶつかってしまった。
「あ、すみません」
咄嗟に謝ったが、ぶつかった衝撃で手に持っていた処方箋とマフラーが落ちてしまった。
私は急いでマフラーと処方箋を拾おうと手を伸ばしたが、ぶつかってしまった男性の手によって先に拾い上げられた。
「ありがとうございます」
お礼を言ったが、彼は私の顔を見るなりぺこりと会釈だけをして歩いて行ってしまった。
男性、と言う程の背格好ではなく、私と同じ年代位の男子だった。
次の日の朝の事。
珍しく寝坊した。
余命宣告をされ、医者に余命まで入院するか、残された時間を好きに使うか、どちらかの提案をされ、ずっと思い悩んでいたら寝るのが遅くなってしまったのだ。走って家を飛び出し、目の前には既に校門が見えていた__
「急げって駿!!」
「わーってるから!!!」
「お前、次遅刻したら居残り清掃だぞ〜!!」
2年か1年かは分からないが、私の後ろにも遅刻しそうで走ってきてる男子がいるのだろう。友達らしき人達が楽しそうに叫んでいる。
「後3秒、2、…」
実は私も次遅刻したら居残り清掃させられるんだ〜!と思いながら、あと数歩で間に合う!やった〜!と喜ぼうとした矢先に
ドンッ
鈍い音が私の背中から響き、気付いたらまた転けてしまった。無惨なことに校門の目の前で。
指先だけが校門を潜っていた。
「(2日続けてぶつかって転ぶこととかある??)」
玲香は、転けた痛みよりもこんな奇跡的な事が起こるものかと驚きの方が勝っていた。
私達は、放課後の居残り下駄箱掃除を生徒指導部の先生に課せられ、保健室で手当してもらってから教室に行くように言われた。
「残念ながら、日浦桃子さんは後1年ほどしか生きられないかと…」
「そうですか。ありがとうございました」
お礼を言い、診察室から出てきた私は医師から渡された処方箋を冷たい目で見ながら歩いていた。
「(また同じ薬…病気の進行を遅らせるだけで、治療でもなんでもない。私の病気に治療法なんて無い。
______あと1年、か……)」
なんとも言えない気持ちで下を見を見ていると、ドンッと誰かにぶつかってしまった。
「あ、すみません」
咄嗟に謝ったが、ぶつかった衝撃で手に持っていた処方箋とマフラーが落ちてしまった。
私は急いでマフラーと処方箋を拾おうと手を伸ばしたが、ぶつかってしまった男性の手によって先に拾い上げられた。
「ありがとうございます」
お礼を言ったが、彼は私の顔を見るなりぺこりと会釈だけをして歩いて行ってしまった。
男性、と言う程の背格好ではなく、私と同じ年代位の男子だった。
次の日の朝の事。
珍しく寝坊した。
余命宣告をされ、医者に余命まで入院するか、残された時間を好きに使うか、どちらかの提案をされ、ずっと思い悩んでいたら寝るのが遅くなってしまったのだ。走って家を飛び出し、目の前には既に校門が見えていた__
「急げって駿!!」
「わーってるから!!!」
「お前、次遅刻したら居残り清掃だぞ〜!!」
2年か1年かは分からないが、私の後ろにも遅刻しそうで走ってきてる男子がいるのだろう。友達らしき人達が楽しそうに叫んでいる。
「後3秒、2、…」
実は私も次遅刻したら居残り清掃させられるんだ〜!と思いながら、あと数歩で間に合う!やった〜!と喜ぼうとした矢先に
ドンッ
鈍い音が私の背中から響き、気付いたらまた転けてしまった。無惨なことに校門の目の前で。
指先だけが校門を潜っていた。
「(2日続けてぶつかって転ぶこととかある??)」
玲香は、転けた痛みよりもこんな奇跡的な事が起こるものかと驚きの方が勝っていた。
私達は、放課後の居残り下駄箱掃除を生徒指導部の先生に課せられ、保健室で手当してもらってから教室に行くように言われた。
