「こちらは、ルーデュニア聖王国から視察に来たお客様だ」
案内役が、女子生徒に俺達のことをそう説明した。
そして、案内役はくるりとこちらを向き。
「どうぞ。何でも、聞きたいことがあれば何なりと」
「あ…あぁ…」
…と、言われてもな。
俺は頭をフル回転させて、質問を考えた。
「えっと…。…今、何年生なんだ?」
出てきたのは、そんなつまらない質問だった。
しかし。
「中等部二年です」
その女子生徒は、律儀に答えてくれた。
二年生か…。ってことは、すぐりと同い年だな…。
まだあどけない顔をしているはずの年頃だが、すぐりと同じように目が据わっていて、とても子供のように見えなかった。
「そうか…。中学二年生…」
俺は、彼女が自主勉強していた机の上に視線を移した。
中学二年生とは思えないほど、高難度の魔導書を読み込んでいたようだ。
見たところ、あれは風魔法の魔導書だな。
…ってことは…。
「…風魔法が得意なのか?」
「いいえ」
えっ。
てっきり、得意だから勉強しているのだとばかり。
「不得意です。だから、こうして少しでも空いた時間に予習、復習するようにしています」
「あ…そうなのか…」
苦手だから勉強する。成程。
偉いな。苦手な分野って、なかなか自分から勉強しようとは思えないものだぞ。
「勉強熱心なんだな…」
「この程度、我が校の生徒なら当然のことです。褒められることではありません」
折角称賛の言葉をもらったというのに、女子生徒は少しも嬉しそうな顔をすることはなく。
むしろ、きっぱりと否定した。
そ、そうか…。
「…親御さんは?何処に住んでるの?」
シルナが、女子生徒に尋ねた。
シルナはどうも、生徒が寂しがっていないかを心配しているようだ。
女子生徒は答えたが、それは王都ファニレスから遠く離れた地方都市だった。
…そんな遠くから…。
それじゃ、なかなか会いにも来てもらえないだろう。
「そうなんだ…。…じゃあ、寂しいでしょう」
「そんなことはありません」
えっ。
「上級魔導師になる為に必要なことです。無事にこの学校を卒業するまでは、絶対に帰れません」
「…」
…強がっているようには聞こえない。
心から、そう思っているように聞こえる。
「そうなの…?」
「はい。その為に全力を尽くしています。私も誇り高いキルディリア魔導師の卵として、決して努力は惜しまないつもりです」
「…」
…まるで、軍人の模範解答みたいだな。
「だけど、ご両親はきっと…。…君になかなか会えなくて、寂しがってると思うよ」
「いいえ、そんなことはありません」
寂しければ、素直に「寂しい」と言えば良いのに。
頑なに、彼女はそれを認めなかった。
案内役が、女子生徒に俺達のことをそう説明した。
そして、案内役はくるりとこちらを向き。
「どうぞ。何でも、聞きたいことがあれば何なりと」
「あ…あぁ…」
…と、言われてもな。
俺は頭をフル回転させて、質問を考えた。
「えっと…。…今、何年生なんだ?」
出てきたのは、そんなつまらない質問だった。
しかし。
「中等部二年です」
その女子生徒は、律儀に答えてくれた。
二年生か…。ってことは、すぐりと同い年だな…。
まだあどけない顔をしているはずの年頃だが、すぐりと同じように目が据わっていて、とても子供のように見えなかった。
「そうか…。中学二年生…」
俺は、彼女が自主勉強していた机の上に視線を移した。
中学二年生とは思えないほど、高難度の魔導書を読み込んでいたようだ。
見たところ、あれは風魔法の魔導書だな。
…ってことは…。
「…風魔法が得意なのか?」
「いいえ」
えっ。
てっきり、得意だから勉強しているのだとばかり。
「不得意です。だから、こうして少しでも空いた時間に予習、復習するようにしています」
「あ…そうなのか…」
苦手だから勉強する。成程。
偉いな。苦手な分野って、なかなか自分から勉強しようとは思えないものだぞ。
「勉強熱心なんだな…」
「この程度、我が校の生徒なら当然のことです。褒められることではありません」
折角称賛の言葉をもらったというのに、女子生徒は少しも嬉しそうな顔をすることはなく。
むしろ、きっぱりと否定した。
そ、そうか…。
「…親御さんは?何処に住んでるの?」
シルナが、女子生徒に尋ねた。
シルナはどうも、生徒が寂しがっていないかを心配しているようだ。
女子生徒は答えたが、それは王都ファニレスから遠く離れた地方都市だった。
…そんな遠くから…。
それじゃ、なかなか会いにも来てもらえないだろう。
「そうなんだ…。…じゃあ、寂しいでしょう」
「そんなことはありません」
えっ。
「上級魔導師になる為に必要なことです。無事にこの学校を卒業するまでは、絶対に帰れません」
「…」
…強がっているようには聞こえない。
心から、そう思っているように聞こえる。
「そうなの…?」
「はい。その為に全力を尽くしています。私も誇り高いキルディリア魔導師の卵として、決して努力は惜しまないつもりです」
「…」
…まるで、軍人の模範解答みたいだな。
「だけど、ご両親はきっと…。…君になかなか会えなくて、寂しがってると思うよ」
「いいえ、そんなことはありません」
寂しければ、素直に「寂しい」と言えば良いのに。
頑なに、彼女はそれを認めなかった。


