…大学生とか社会人とか、帰省するのが面倒臭いお年頃、じゃないんだぞ。
まだまだ、親の愛情が必要な子供なんだぞ。
それなのに、一度入学すれば、卒業するか退学するまで、家に帰れないなんて。
夏休みも冬休みもなし?週イチの休み以外、来る日も来る日も毎日勉強?
あまりにも過酷なスケジュールだ。
「…やり過ぎだ。過労死するぞ」
「ついてこられない者は、早々に退学しています」
あぁ、そうか。
この学校に残っているのは、そんな過酷な毎日に耐えられる社畜、ならぬ学畜のみ。
生徒をふるいにかけるとは、よく言ったもの。
「じ、じゃあ…生徒は卒業するまで、家族に会えないの?一度も会えないの?」
他国ながら、生徒が気の毒になったのだろう。
シルナは愕然として、案内役を問い詰めた。
「家族が面会に来れば、面会室で1時間くらいは話が出来ますよ」
「…」
何それ。
それはもう学校じゃなくて、刑務所じゃないか。
親兄弟から引き離され、ほとんど休みもなく。
毎日毎日、ひたすら小難しい魔導理論を頭に叩き込むだけの日々…。
…そんな生活を、キルディリア魔王国の子供達は本当に望んでいるのだろうか?
「良かったら、生徒と話をしてみますか?」
「え?」
案内役が、そう提案した。
「あのイーニシュフェルト魔導学院の学院長殿が直々に訪ねてきたとあらば、生徒達も喜ぶでしょう」
訪ねてきたって言うか…。…お宅の女王様に呼ばれただけなんだけど。
「図書室にご案内します。そこに生徒がいるはずです」
「あ、あぁ…」
俺達は、キルディリア国立魔導師学校の図書室に連れて行かれた。
校舎は広くてた大きいけれど、図書室の広さはそれほどでもなかった。
あんなに学生がいるのに、本の数は意外と少ないんだな。
でも、置いてある本は全て魔導書か、あるいは魔法に関する書籍ばかり。
一般の書籍は、一冊も置いていなかった。
そして、その図書室の自習コーナーでは、たくさんの生徒がずらりと並んで座り。
一生懸命、勉強に励んでいた。
これは、イーニシュフェルト魔導学院の放課後の図書室でも見られる光景だが。
でも、こんな姿だけじゃない。
学院長室におやつをねだりに来る生徒もいれば、稽古場でナジュに面白おかしく実技を習う生徒もいて。
中庭では、マシュリ扮する猫、いろりと遊んでやっている生徒もいる。
それに、令月やすぐりが園芸部で野菜を育てているように、部活に打ち込む生徒もいる。
…まぁ、あの園芸部は、ちょっと気合いが入り過ぎてる気もするが。
何せ、腐葉土を自作するくらいだからな。
でも、それが健全な生徒の姿ってものじゃないのか。
勉強するだけが、生徒の仕事じゃない。
この学校の生徒達には、笑顔が見えない。
声を上げて笑うどころか、かすかな微笑みを見せる生徒さえいない。
案内役が、近くで勉強している女子生徒に声をかけた。
「ちょっと、君」
「はい」
勉強中、邪魔をしてごめんな。
突然声をかけられたにも関わらず、その女子生徒は俺達を見ても、驚くことも表情を変えることもなかった。
子供じゃなくて、大人を相手にしているような気分だった。
まだまだ、親の愛情が必要な子供なんだぞ。
それなのに、一度入学すれば、卒業するか退学するまで、家に帰れないなんて。
夏休みも冬休みもなし?週イチの休み以外、来る日も来る日も毎日勉強?
あまりにも過酷なスケジュールだ。
「…やり過ぎだ。過労死するぞ」
「ついてこられない者は、早々に退学しています」
あぁ、そうか。
この学校に残っているのは、そんな過酷な毎日に耐えられる社畜、ならぬ学畜のみ。
生徒をふるいにかけるとは、よく言ったもの。
「じ、じゃあ…生徒は卒業するまで、家族に会えないの?一度も会えないの?」
他国ながら、生徒が気の毒になったのだろう。
シルナは愕然として、案内役を問い詰めた。
「家族が面会に来れば、面会室で1時間くらいは話が出来ますよ」
「…」
何それ。
それはもう学校じゃなくて、刑務所じゃないか。
親兄弟から引き離され、ほとんど休みもなく。
毎日毎日、ひたすら小難しい魔導理論を頭に叩き込むだけの日々…。
…そんな生活を、キルディリア魔王国の子供達は本当に望んでいるのだろうか?
「良かったら、生徒と話をしてみますか?」
「え?」
案内役が、そう提案した。
「あのイーニシュフェルト魔導学院の学院長殿が直々に訪ねてきたとあらば、生徒達も喜ぶでしょう」
訪ねてきたって言うか…。…お宅の女王様に呼ばれただけなんだけど。
「図書室にご案内します。そこに生徒がいるはずです」
「あ、あぁ…」
俺達は、キルディリア国立魔導師学校の図書室に連れて行かれた。
校舎は広くてた大きいけれど、図書室の広さはそれほどでもなかった。
あんなに学生がいるのに、本の数は意外と少ないんだな。
でも、置いてある本は全て魔導書か、あるいは魔法に関する書籍ばかり。
一般の書籍は、一冊も置いていなかった。
そして、その図書室の自習コーナーでは、たくさんの生徒がずらりと並んで座り。
一生懸命、勉強に励んでいた。
これは、イーニシュフェルト魔導学院の放課後の図書室でも見られる光景だが。
でも、こんな姿だけじゃない。
学院長室におやつをねだりに来る生徒もいれば、稽古場でナジュに面白おかしく実技を習う生徒もいて。
中庭では、マシュリ扮する猫、いろりと遊んでやっている生徒もいる。
それに、令月やすぐりが園芸部で野菜を育てているように、部活に打ち込む生徒もいる。
…まぁ、あの園芸部は、ちょっと気合いが入り過ぎてる気もするが。
何せ、腐葉土を自作するくらいだからな。
でも、それが健全な生徒の姿ってものじゃないのか。
勉強するだけが、生徒の仕事じゃない。
この学校の生徒達には、笑顔が見えない。
声を上げて笑うどころか、かすかな微笑みを見せる生徒さえいない。
案内役が、近くで勉強している女子生徒に声をかけた。
「ちょっと、君」
「はい」
勉強中、邪魔をしてごめんな。
突然声をかけられたにも関わらず、その女子生徒は俺達を見ても、驚くことも表情を変えることもなかった。
子供じゃなくて、大人を相手にしているような気分だった。


