聞いたところによると。
このキルディリア国立魔導師学校では、毎年学年末に試験が行われるという。
それは普通の試験じゃなくて、来年度、次の学年に進学出来るかどうかを賭けた、さながら昇進試験だった。
もし試験で良い成績を取れなかったら、もう1年留年…。
…なんて、生易しい制度は、この学校にはない。
試験で一定の点数に満たなかった場合、容赦なく退学させられるそうだ。
学校から追い出され、親元に返される。
それはこの学校において大変な屈辱であり、失格者の烙印を押されたようなものだそうだ。
しかも、試験の合格ラインは年々と高くなっていき、試験に落ちる生徒も、毎年何人もいるそうだ。
そのせいで、この学校は小中高の一貫性なのに、学年が上がるにつれて人数が少なくなっていく。
小学生の頃にはひとクラス30人ほどいるのに。
高校になると、ひとクラス10人ほどしか残らないそうだ。
中には、卒業生が5、6人しかいなかった年もあるそうな。
驚異的な少なさである。
例え入学出来たとしても、学校を無事卒業出来るのは、三分の一以下。
成程、まだ小学生なのに、あんなに授業に真剣になる訳だ。
試験に落ちたら、彼らはすぐにでも学校から追い出されてしまう。
だから、あんなに必死に勉強しているのだ。何としても、この学校を卒業する為に…。
まだ小学生なのに、過酷な生存競争の中に身を置かれてるんだな。
…可哀想に。
これじゃあ、子供らしくのびのび過ごすことなんて出来やしない。
それから俺達は、小等部のみならず、中等部や高等部の校舎も見せてもらった。
本当に、学年が上がるごとに生徒の数が減っていた。
そして同時に、学年が上がるにつれて、生徒達の顔が険しく、厳しくなっているように見えた。
さすが、ここまでこの学院で「生き延びて」きただけのことはある。
きっと優秀な魔導師の卵なのだろう。
ウチの学院の生徒とは、まったく顔つきが違う。
とても同じ年頃とは思えない。
その必死な姿は、『アメノミコト』で育った令月とすぐりを彷彿とさせた。
過酷さはあちらの方が段違いで高いが、もし挫折すれば将来を絶たれる、という意味では、両者とも同じだ。
子供の顔つきには見えない。
しかも…。
「こちらが、生徒が寝起きする宿舎…学生寮になります」
校舎を一通り視察した後で、案内役は、今度は校舎の隣にある建物に案内してくれた。
…学生寮…。
「この学校って…全寮制なのか?」
「はい、そうです。全国から集めた優秀な魔導師の子息達を集めて、この寮で暮らしています」
「ふーん…。帰れるのは夏休みと冬休みくらいか?」
あと、春休みと…学期の合間の長い週末、とか。
しかし、この学校にそんな慈悲は存在しなかった。
「いいえ。我が校には、週に一度の休みを除けば、休日はありませんので。夏期休暇や冬期休暇は設けられていません」
「えっ…」
これには、俺もシルナもびっくり。
…マジ?
「じ、じゃあ生徒はいつ、家族のところに帰るの?」
「身内に不幸がない限り、入学から卒業までの間、帰省することは許されません」
「…!」
なんてことだ。
それ、どんなブラック企業?
このキルディリア国立魔導師学校では、毎年学年末に試験が行われるという。
それは普通の試験じゃなくて、来年度、次の学年に進学出来るかどうかを賭けた、さながら昇進試験だった。
もし試験で良い成績を取れなかったら、もう1年留年…。
…なんて、生易しい制度は、この学校にはない。
試験で一定の点数に満たなかった場合、容赦なく退学させられるそうだ。
学校から追い出され、親元に返される。
それはこの学校において大変な屈辱であり、失格者の烙印を押されたようなものだそうだ。
しかも、試験の合格ラインは年々と高くなっていき、試験に落ちる生徒も、毎年何人もいるそうだ。
そのせいで、この学校は小中高の一貫性なのに、学年が上がるにつれて人数が少なくなっていく。
小学生の頃にはひとクラス30人ほどいるのに。
高校になると、ひとクラス10人ほどしか残らないそうだ。
中には、卒業生が5、6人しかいなかった年もあるそうな。
驚異的な少なさである。
例え入学出来たとしても、学校を無事卒業出来るのは、三分の一以下。
成程、まだ小学生なのに、あんなに授業に真剣になる訳だ。
試験に落ちたら、彼らはすぐにでも学校から追い出されてしまう。
だから、あんなに必死に勉強しているのだ。何としても、この学校を卒業する為に…。
まだ小学生なのに、過酷な生存競争の中に身を置かれてるんだな。
…可哀想に。
これじゃあ、子供らしくのびのび過ごすことなんて出来やしない。
それから俺達は、小等部のみならず、中等部や高等部の校舎も見せてもらった。
本当に、学年が上がるごとに生徒の数が減っていた。
そして同時に、学年が上がるにつれて、生徒達の顔が険しく、厳しくなっているように見えた。
さすが、ここまでこの学院で「生き延びて」きただけのことはある。
きっと優秀な魔導師の卵なのだろう。
ウチの学院の生徒とは、まったく顔つきが違う。
とても同じ年頃とは思えない。
その必死な姿は、『アメノミコト』で育った令月とすぐりを彷彿とさせた。
過酷さはあちらの方が段違いで高いが、もし挫折すれば将来を絶たれる、という意味では、両者とも同じだ。
子供の顔つきには見えない。
しかも…。
「こちらが、生徒が寝起きする宿舎…学生寮になります」
校舎を一通り視察した後で、案内役は、今度は校舎の隣にある建物に案内してくれた。
…学生寮…。
「この学校って…全寮制なのか?」
「はい、そうです。全国から集めた優秀な魔導師の子息達を集めて、この寮で暮らしています」
「ふーん…。帰れるのは夏休みと冬休みくらいか?」
あと、春休みと…学期の合間の長い週末、とか。
しかし、この学校にそんな慈悲は存在しなかった。
「いいえ。我が校には、週に一度の休みを除けば、休日はありませんので。夏期休暇や冬期休暇は設けられていません」
「えっ…」
これには、俺もシルナもびっくり。
…マジ?
「じ、じゃあ生徒はいつ、家族のところに帰るの?」
「身内に不幸がない限り、入学から卒業までの間、帰省することは許されません」
「…!」
なんてことだ。
それ、どんなブラック企業?


