神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

学校の校舎に入ると、学校のお偉いさんらしき人が、正装をして俺達を待っていた。

「お待ちしておりました。今日は、ようこそいらっしゃいました」

丁寧に頭を下げるその男性の首にも、金色のカードが。

ふーん…。この人も上級魔導師なのか…。

「僭越ながら、本日は私がご案内させていただきます」

とのこと。

「あ、そう…」

「それでは、どうぞこちらに。お疲れでしょう。まずは座ってお茶でも…」

「いえ…。すぐに見て回ります」

「そうですか」

のんびりと接待される気はない。

ただでさえ気が進まないのだから、さっさと終わらせよう。

「それでは、まずは小等部からご案内しますね」

「…小等部?ここ、小学校からあるのか?」

「はい」

「…」

小学校ってことは…五歳とか六歳とかそこらで、このエリート魔導師学校に入学してるってことか。

イーニシュフェルト魔導学院でさえ、中等部からなのに…。

まずは小等部の校舎に連れて行かれたが、その廊下は全然飾り気がなくて。

廊下の掲示板には、連絡事項を記したお知らせの紙が、押しピンで貼られているだけ。

…もっとこう、小学校の廊下の掲示板ってさ。

児童が描いた絵とか、習字の作品とか、そういうのが飾ってあるものなんじゃないか?

この学校では、そういうことはしておないのだろうか…?

「丁度、今授業中ですね。見てみますか?」

「あ?…あぁ…」

見ても良いのか?…良いなら見るけど。

俺は、こっそりと廊下の窓から教室の中の様子を覗いた。

邪魔してごめんな。

しかし、中で授業をしていた教師も、児童達も、一切気を逸らすことはなかった。

教師も児童も、真剣な顔で授業に臨んでいた。

おぉ…。凄いな。イレースの授業みたいだ。

シルナなんか、すぐ授業中に雑談に走るからな。

しかも、超どうでも良い話。「この間食べたチョコがねー、凄く美味しくてね」みたいな。

知らねーよ、って思ってるに違いない。

「…羽久が私に失礼なことを考えてる気がする…」

「授業中だぞ、シルナ。静かにしろ」

しかし、俺とシルナがうるさくぼそぼそ言っていても。

生徒達は一切集中を乱すことなく、神拳に教師の説明に耳を傾けている。

…本当に凄いな。

まだ小学生だろ?

それに…受けている授業の内容も…。

「この子達って…今、何年生だ?」

見たところ、まだ低学年のようだが…。

「こちらは2年生の教室です」

と、案内役が答えた。

小学校2年生で、これ…。

小学2年生が受けるにしては、かなり難易度の高い授業をしていた。

こんなに難しい内容を…。