そりゃ、ジャマ王国出身の令月とすぐりは…知らないかもしれないけどさ…。
「あなた達には、地理の授業が必要なようですね」
イレースが二人のことを、ギロッと睨んだが。
ナジュが、からかい口調で天音にこう言った。
「だって。天音さんも一緒に、地理の授業に参加します?」
「ひぇっ…」
…何だと?
「天音さんもご存知ないそうですよ」
「な、ナジュ君。それを言わないでっ…!」
…まぁ、天音も元々はこの時空、この大陸の出身じゃなかったからな。
知らなくても無理はな、
「ついでに、僕も知りませんので。みんなで仲良く、イレースさんの地理の授業でも受けますか!」
…お前も知らないのかよ。ナジュ。
偉そうに言える立場じゃねぇ。
「…この愚か者共…」
イレースが、ちっ、と舌打ち。
怖っ…。
「マシュリは…知ってるのか?」
「一応…。『HOME』にいた頃に、知識だけは」
「そうか…」
お前は偉いな。マシュリ。
…とはいえ、俺もあまり詳しく知っている訳じゃないが。
「羽久さんも知らないんじゃないですか」
「うるせぇ。心を読むな」
知識としては知ってるよ。…行ったことはないけど。
「どんな国なの?そのキルディリア、って国」
と、すぐりが尋ねた。
「えぇと…。キルディリア魔王国は、アーリヤット皇国と海を挟んだ島国で…」
「学院長せんせーは、行ったことあるの?」
「…うん…。2、3回だけだけど」
「へぇー。旅行?」
「いや…旅行ではなくて…。呼ばれたから行っただけだよ」
…記憶にある。覚えてるぞ、俺も。
もう何年も、ずっと前になるが…シルナが、キルディリア魔王国に招待されたのだ。
「呼ばれたって…何をしに行ったんですか?」
「えぇっと…それは…」
「あ…。…あの時のことですよね」
シュニィも覚えていたか。
あれは確か、シュニィがまだイーニシュフェルト魔導学院に在学中のことだったよな。
「何て言うか…。まぁ、ちょっと色々あって…」
明らかにシルナは、言いたくなさそうだった。
しかし。
「何です。勿体ぶってないでさっさと言いなさい」
イレースは、苛立ちも露わに話の続きを催促した。
…言いたくなさそうだから聞かないでおこう、という情けは、イレースにはないらしい。
相変わらず…容赦ないなぁ。
「あなたの個人的な出来事なら聞かないでおきますが。今は国家の趨勢を左右する緊急事態です。情報は共有してもらいますよ」
「うん…。そうだね、イレースちゃんが正しいよ」
…だな。
「あなた達には、地理の授業が必要なようですね」
イレースが二人のことを、ギロッと睨んだが。
ナジュが、からかい口調で天音にこう言った。
「だって。天音さんも一緒に、地理の授業に参加します?」
「ひぇっ…」
…何だと?
「天音さんもご存知ないそうですよ」
「な、ナジュ君。それを言わないでっ…!」
…まぁ、天音も元々はこの時空、この大陸の出身じゃなかったからな。
知らなくても無理はな、
「ついでに、僕も知りませんので。みんなで仲良く、イレースさんの地理の授業でも受けますか!」
…お前も知らないのかよ。ナジュ。
偉そうに言える立場じゃねぇ。
「…この愚か者共…」
イレースが、ちっ、と舌打ち。
怖っ…。
「マシュリは…知ってるのか?」
「一応…。『HOME』にいた頃に、知識だけは」
「そうか…」
お前は偉いな。マシュリ。
…とはいえ、俺もあまり詳しく知っている訳じゃないが。
「羽久さんも知らないんじゃないですか」
「うるせぇ。心を読むな」
知識としては知ってるよ。…行ったことはないけど。
「どんな国なの?そのキルディリア、って国」
と、すぐりが尋ねた。
「えぇと…。キルディリア魔王国は、アーリヤット皇国と海を挟んだ島国で…」
「学院長せんせーは、行ったことあるの?」
「…うん…。2、3回だけだけど」
「へぇー。旅行?」
「いや…旅行ではなくて…。呼ばれたから行っただけだよ」
…記憶にある。覚えてるぞ、俺も。
もう何年も、ずっと前になるが…シルナが、キルディリア魔王国に招待されたのだ。
「呼ばれたって…何をしに行ったんですか?」
「えぇっと…それは…」
「あ…。…あの時のことですよね」
シュニィも覚えていたか。
あれは確か、シュニィがまだイーニシュフェルト魔導学院に在学中のことだったよな。
「何て言うか…。まぁ、ちょっと色々あって…」
明らかにシルナは、言いたくなさそうだった。
しかし。
「何です。勿体ぶってないでさっさと言いなさい」
イレースは、苛立ちも露わに話の続きを催促した。
…言いたくなさそうだから聞かないでおこう、という情けは、イレースにはないらしい。
相変わらず…容赦ないなぁ。
「あなたの個人的な出来事なら聞かないでおきますが。今は国家の趨勢を左右する緊急事態です。情報は共有してもらいますよ」
「うん…。そうだね、イレースちゃんが正しいよ」
…だな。


