キルディリア魔王国にやって来て4日目のその日、俺達は再び、イシュメル女王のもとに呼び出された。
そしてそこで、再び問いかけられた。
「…どうじゃ。考えは変わったか?」
「…考え?」
何のことだよ。
「わらわと共に、勝ち馬乗る気はないか、という話じゃ」
…アーリヤット皇国との戦争のことかよ。
あんた、それまだ諦めてなかったのか。
「何度も言ってるだろ。俺達は戦争をする気はない」
これは俺やシルナだけじゃないなくて、フユリ様のご意思だ。
ちなみに、もうこの頃には完全に、イシュメル女王に敬語で話すのを忘れていた。
「それに、俺達にはイエスと言う権利も、ノーと言う権利もないんだ。それを決めるのはフユリ様なんだから」
俺達は、あくまで代理人。
フユリ様のご意思を伝えに来た、ただのメッセンジャーに過ぎない。
それなのに。
「何を異なことを。魔導師ですらない小娘に、何を決められると言うのじゃ」
あんたが自分の国の非魔導師をばかにするのは、あんたの勝手だが。
でも、うちの国の女王様まで、見下すのはやめて欲しいもんだな。
「ではフユリの意思ではなく、おぬしらの意思はどうじゃ」
「…え?」
この質問に、俺もシルナも、思わず面食らった。
「聖賢者殿。わらわが何故、おぬしを名指しで呼びつけたか分かるか?」
「…。…前と同じことを言う為、だね?」
…前と?
それはつまり…シルナが以前、キルディリア魔王国に来た時と同じ…。
「いかにも、その通りじゃ」
「…シルナ。前と同じことって…」
どういう意味か、と聞こうとしたら。
シルナは、非常に固い顔をしていて。
「以前、キルディリア魔王国に来た時…。私はイシュメル女王に、この国で暮らさないかって誘われたんだ」
「…!」
「勿論、断ったけど…。…でも、まだ諦めてなかったんだね」
…イシュメル女王がわざわざシルナを呼んだのは、そのせいだったのか。
シルナを…キルディリア魔王国に…?
「…何をふざけたことを…!」
「何がふざけておるのじゃ?優秀な魔導師がおれば、引き抜きしたいのは当然のことじゃろう」
引き抜き、って…。転職じゃないんだぞ。
「シルナに…ルーデュニア聖王国を裏切れって言うのか?」
「裏切れとは言っておらん。ただ、鞍替えしたらどうかと誘っているだけじゃ。何もルーデュニアでなければならん理由はなかろう」
何が鞍替えだよ。言葉をちょっとマイルドにしたからって、誤魔化せると思うなよ。
そんなの、実質裏切れって言ってるようなものじゃないか。
「どうじゃ。おぬしがキルディリアに来れば、このわらわが最高の待遇を約束するぞ」
「最高の…待遇?」
「ゴールドカードの発行は勿論、住居も、暮らしに必要なものの全ても、わらわが保証しよう。富も名声も思うがままじゃ」
「…」
引き抜きスカウトとしては、そりゃ最高の待遇だな。
この国で、思うがままの優雅な生活が出来ると。
それはそれは…魅力的な話じゃないか。
そしてそこで、再び問いかけられた。
「…どうじゃ。考えは変わったか?」
「…考え?」
何のことだよ。
「わらわと共に、勝ち馬乗る気はないか、という話じゃ」
…アーリヤット皇国との戦争のことかよ。
あんた、それまだ諦めてなかったのか。
「何度も言ってるだろ。俺達は戦争をする気はない」
これは俺やシルナだけじゃないなくて、フユリ様のご意思だ。
ちなみに、もうこの頃には完全に、イシュメル女王に敬語で話すのを忘れていた。
「それに、俺達にはイエスと言う権利も、ノーと言う権利もないんだ。それを決めるのはフユリ様なんだから」
俺達は、あくまで代理人。
フユリ様のご意思を伝えに来た、ただのメッセンジャーに過ぎない。
それなのに。
「何を異なことを。魔導師ですらない小娘に、何を決められると言うのじゃ」
あんたが自分の国の非魔導師をばかにするのは、あんたの勝手だが。
でも、うちの国の女王様まで、見下すのはやめて欲しいもんだな。
「ではフユリの意思ではなく、おぬしらの意思はどうじゃ」
「…え?」
この質問に、俺もシルナも、思わず面食らった。
「聖賢者殿。わらわが何故、おぬしを名指しで呼びつけたか分かるか?」
「…。…前と同じことを言う為、だね?」
…前と?
それはつまり…シルナが以前、キルディリア魔王国に来た時と同じ…。
「いかにも、その通りじゃ」
「…シルナ。前と同じことって…」
どういう意味か、と聞こうとしたら。
シルナは、非常に固い顔をしていて。
「以前、キルディリア魔王国に来た時…。私はイシュメル女王に、この国で暮らさないかって誘われたんだ」
「…!」
「勿論、断ったけど…。…でも、まだ諦めてなかったんだね」
…イシュメル女王がわざわざシルナを呼んだのは、そのせいだったのか。
シルナを…キルディリア魔王国に…?
「…何をふざけたことを…!」
「何がふざけておるのじゃ?優秀な魔導師がおれば、引き抜きしたいのは当然のことじゃろう」
引き抜き、って…。転職じゃないんだぞ。
「シルナに…ルーデュニア聖王国を裏切れって言うのか?」
「裏切れとは言っておらん。ただ、鞍替えしたらどうかと誘っているだけじゃ。何もルーデュニアでなければならん理由はなかろう」
何が鞍替えだよ。言葉をちょっとマイルドにしたからって、誤魔化せると思うなよ。
そんなの、実質裏切れって言ってるようなものじゃないか。
「どうじゃ。おぬしがキルディリアに来れば、このわらわが最高の待遇を約束するぞ」
「最高の…待遇?」
「ゴールドカードの発行は勿論、住居も、暮らしに必要なものの全ても、わらわが保証しよう。富も名声も思うがままじゃ」
「…」
引き抜きスカウトとしては、そりゃ最高の待遇だな。
この国で、思うがままの優雅な生活が出来ると。
それはそれは…魅力的な話じゃないか。


