「もう少し雑談に興じたかったんじゃが…。せっかちな男じゃのう」
当たり前だ。
こうしている間も、戦争は続いてるんだぞ。
女王だって他人事じゃない。
俺達がここで、水晶の椅子に座って、水晶のテーブルについている間にも。
キルディリア魔王国の民が、そしてアーリヤット皇国の民が…人の命が、奪われ、傷つけられているんだぞ。
悠長に歓迎パーティーなんてやってる場合じゃなかったんだよ。
「まぁ良い。わらわも、肝心な話をするとしよう…。…それで」
と、改めてイシュメル女王はこちらに向き直った。
「我らの軍に加勢する気はあるのか。ルーデュニア聖王国は」
「…」
「わらわの側につけば、勝ち馬に乗せてやるぞ。戦争が終わった暁には、アーリヤット皇国の資源も、領土も充分に分けてやろう」
…それは有り難い申し出だな。
「アーリヤット皇王…。ナツキとか言ったか。あの男の身柄は、おぬしらにくれてやろう。縛り首にするなり、豚の餌をくれてやるなり、好きにすれば良い」
それを、フユリ様に言うつもりか?
フユリ様とナツキ様が、実の兄妹だと知っていて?
いかにこの人が、ナツキ様に…いや、魔導師ではない人に関心がないか、伺い知れる。
「どうじゃ。悪い話では…」
「フユリ様は、いかなる条件を出されても戦争に参加することはない、とおっしゃいました」
「…」
シルナがきっぱりと答えると、イシュメル女王の表情が曇った。
「私もその意見に賛成です。自国の国民を巻き込み、他国の国民も巻き込み、ましてや人の命を奪う行為は…。いかなる理由があっても、正当化されることではありません」
その通り。よく言った。
…しかし。
「…おぬしがそれを言うか。…皮肉なものじゃな」
「…!」
お前。シルナに…なんてことを。
「おぬしらもつい最近まで、アーリヤット皇国とは睨み合っておったではないか。決闘まで行ったと聞いているが」
「それは…」
「その脅威が去った途端、今度は平和主義者を気取るか。…フユリとかいう女、随分な軟弱者じゃな」
…こいつ、言うに事欠いて。
フユリ様にまで、なんてことを。
「それに、おぬしらは民の命のことを気にしているようじゃが、ならばアーリヤット皇国が提唱した、魔導師保護条約、とやらはどうなる?」
「…!」
「あれが魔導師の権利を奪うものだということを、おぬしらとて知っておろう。あんなものの締結を許すのか?」
勿論、それは許して良いことじゃない。
ナツキ様が提唱した、世界魔導師保護条約。
あれは、魔導師を国の道具として奴隷扱いするという、非人道的な条約だ。
あの条約には、フユリ様も強く反対していた。
一時はナツキ様の策略にハマり、危うく条約が締結するところだったが…。
…それは、アーリヤット皇国との命運をかけた決闘によって、何とか回避した。
しかし…キルディリア魔王国は、黙っていなかった。
当たり前だ。
こうしている間も、戦争は続いてるんだぞ。
女王だって他人事じゃない。
俺達がここで、水晶の椅子に座って、水晶のテーブルについている間にも。
キルディリア魔王国の民が、そしてアーリヤット皇国の民が…人の命が、奪われ、傷つけられているんだぞ。
悠長に歓迎パーティーなんてやってる場合じゃなかったんだよ。
「まぁ良い。わらわも、肝心な話をするとしよう…。…それで」
と、改めてイシュメル女王はこちらに向き直った。
「我らの軍に加勢する気はあるのか。ルーデュニア聖王国は」
「…」
「わらわの側につけば、勝ち馬に乗せてやるぞ。戦争が終わった暁には、アーリヤット皇国の資源も、領土も充分に分けてやろう」
…それは有り難い申し出だな。
「アーリヤット皇王…。ナツキとか言ったか。あの男の身柄は、おぬしらにくれてやろう。縛り首にするなり、豚の餌をくれてやるなり、好きにすれば良い」
それを、フユリ様に言うつもりか?
フユリ様とナツキ様が、実の兄妹だと知っていて?
いかにこの人が、ナツキ様に…いや、魔導師ではない人に関心がないか、伺い知れる。
「どうじゃ。悪い話では…」
「フユリ様は、いかなる条件を出されても戦争に参加することはない、とおっしゃいました」
「…」
シルナがきっぱりと答えると、イシュメル女王の表情が曇った。
「私もその意見に賛成です。自国の国民を巻き込み、他国の国民も巻き込み、ましてや人の命を奪う行為は…。いかなる理由があっても、正当化されることではありません」
その通り。よく言った。
…しかし。
「…おぬしがそれを言うか。…皮肉なものじゃな」
「…!」
お前。シルナに…なんてことを。
「おぬしらもつい最近まで、アーリヤット皇国とは睨み合っておったではないか。決闘まで行ったと聞いているが」
「それは…」
「その脅威が去った途端、今度は平和主義者を気取るか。…フユリとかいう女、随分な軟弱者じゃな」
…こいつ、言うに事欠いて。
フユリ様にまで、なんてことを。
「それに、おぬしらは民の命のことを気にしているようじゃが、ならばアーリヤット皇国が提唱した、魔導師保護条約、とやらはどうなる?」
「…!」
「あれが魔導師の権利を奪うものだということを、おぬしらとて知っておろう。あんなものの締結を許すのか?」
勿論、それは許して良いことじゃない。
ナツキ様が提唱した、世界魔導師保護条約。
あれは、魔導師を国の道具として奴隷扱いするという、非人道的な条約だ。
あの条約には、フユリ様も強く反対していた。
一時はナツキ様の策略にハマり、危うく条約が締結するところだったが…。
…それは、アーリヤット皇国との命運をかけた決闘によって、何とか回避した。
しかし…キルディリア魔王国は、黙っていなかった。


