しかし、そんな俺とシルナの心の内など、誰も察してくれるはずがなく。
「ようこそキルディリアへ。聖賢者シルナ・エインリー様」
早速、さっき俺達に拍手を送ってくれたパーティー客の一人…年配の男性が、俺達の前に現れた。
「あ、は、はい。どうも…」
「羽久・グラスフィア様も。是非とも一度、お会いしてみたいと思っておりました」
「は、はぁ…」
…ごめん。あんた、誰…?
しかし、戸惑う俺達に関係なく…。
「聖賢者様は、ルーデュニア聖王国イチの魔導師と聞いております」
「え?い、いや…そんなことは…」
「いえいえ。ご謙遜なさらずとも良いのです」
愛想良く笑う老紳士。
「自分にとっては、尊敬の的なのです。あなたの提唱する魔導理論、魔導科学の研究…。どれも素晴らしいものです」
「…」
べた褒めされて、シルナは喜ぶどころか困り顔だった。
「そんなこと、私に言われても…」って感じだろうな。
「それに、あなたもです。羽久・グラスフィア様」
「はっ?」
突然、老紳士はこちらに視線を向けた。
び、びっくりした。
「聞くところによると、ルーデュニア聖王国イチの時魔法使いだとか」
「い…いや、別にそれは…」
逆に、俺にはそれくらいしか出来ることがない、ってだけで。
決して自慢するようなものじゃない。
「いやぁ、羨ましい。あの魔法は、扱いが非常に難しく、特別に適性のある者しか使えないと言いますからな」
「…まぁ…それは…そうですけど…」
「自分も時魔法を勉強していた時期がありますが、どうも自分には適性がなかったようで…。いやお恥ずかしい」
別に、恥ずかしいことでも何でもないぞ。
時魔法の適性の有無なんて、大した問題じゃない。
使えなくても全然困らない。
見れば分かる。
だって、この老紳士が首から提げている証明書。金色なんだもん。
つまりあんたも、上級魔導師ってことだろ?
礼装を着ていても、その証明書はつけてなきゃいけないのか。
老紳士だけじゃない。
この会場に集まっている人はみな、ドレスの上に、タキシードの上に、首からネームホルダーを提げていた。
しかも、金色のカードを。
つまりここに集まっているのは、キルディリア魔王国でも有数の上級魔導師達。
1等車に乗ることが出来る、優秀な金カード持ちなのだ。
…こんな立派なパーティー会場に来てまで、そのカードはやめろよ。
ネックレスの代わりなのか。そうなのか?
でも、金カード持ちってことは、この人も相当優秀な魔導師なんだろう。
「えっと…。…それじゃあ、その、失礼ですが、あなたは何の魔法を…?」
「自分は、読心魔法が得意でしてね」
「…えっ」
と、思わず言ってしまった。
「ようこそキルディリアへ。聖賢者シルナ・エインリー様」
早速、さっき俺達に拍手を送ってくれたパーティー客の一人…年配の男性が、俺達の前に現れた。
「あ、は、はい。どうも…」
「羽久・グラスフィア様も。是非とも一度、お会いしてみたいと思っておりました」
「は、はぁ…」
…ごめん。あんた、誰…?
しかし、戸惑う俺達に関係なく…。
「聖賢者様は、ルーデュニア聖王国イチの魔導師と聞いております」
「え?い、いや…そんなことは…」
「いえいえ。ご謙遜なさらずとも良いのです」
愛想良く笑う老紳士。
「自分にとっては、尊敬の的なのです。あなたの提唱する魔導理論、魔導科学の研究…。どれも素晴らしいものです」
「…」
べた褒めされて、シルナは喜ぶどころか困り顔だった。
「そんなこと、私に言われても…」って感じだろうな。
「それに、あなたもです。羽久・グラスフィア様」
「はっ?」
突然、老紳士はこちらに視線を向けた。
び、びっくりした。
「聞くところによると、ルーデュニア聖王国イチの時魔法使いだとか」
「い…いや、別にそれは…」
逆に、俺にはそれくらいしか出来ることがない、ってだけで。
決して自慢するようなものじゃない。
「いやぁ、羨ましい。あの魔法は、扱いが非常に難しく、特別に適性のある者しか使えないと言いますからな」
「…まぁ…それは…そうですけど…」
「自分も時魔法を勉強していた時期がありますが、どうも自分には適性がなかったようで…。いやお恥ずかしい」
別に、恥ずかしいことでも何でもないぞ。
時魔法の適性の有無なんて、大した問題じゃない。
使えなくても全然困らない。
見れば分かる。
だって、この老紳士が首から提げている証明書。金色なんだもん。
つまりあんたも、上級魔導師ってことだろ?
礼装を着ていても、その証明書はつけてなきゃいけないのか。
老紳士だけじゃない。
この会場に集まっている人はみな、ドレスの上に、タキシードの上に、首からネームホルダーを提げていた。
しかも、金色のカードを。
つまりここに集まっているのは、キルディリア魔王国でも有数の上級魔導師達。
1等車に乗ることが出来る、優秀な金カード持ちなのだ。
…こんな立派なパーティー会場に来てまで、そのカードはやめろよ。
ネックレスの代わりなのか。そうなのか?
でも、金カード持ちってことは、この人も相当優秀な魔導師なんだろう。
「えっと…。…それじゃあ、その、失礼ですが、あなたは何の魔法を…?」
「自分は、読心魔法が得意でしてね」
「…えっ」
と、思わず言ってしまった。


