このサクメとかいう奴…。
金色の魔導師証明書を持ってるってことは、それだけ優秀な魔導師なんだろう。
一体どんな魔法をどんな風に使うのか…。
とにかく、警戒対象であることに変わりはない。
しかし、シディ・サクメは相変わらず、人の良さそうな笑みを浮かべ。
「ようこそキルディリア魔王国へ、どうぞ、お入りください。シルナ・エインリー様。羽久・グラスフィア様」
と言って、クリスタル宮殿に…。
…いや、偽クリスタル宮殿に招待してきた。
「女王陛下が、首を長くしてお待ちです」
「…」
「大丈夫。そう警戒せずとも。あなた方は我が国の大事な賓客です。決して手荒な真似は致しません」
…どうだか。
アーリヤット皇国に突然殴りかかった連中が、「手荒な真似はしません」なんて言ったって。
信じられる訳ないだろ。
それに…。
「…君、いつから私達のことを見てたの?」
シルナは珍しく真剣な表情で、シディ・サクメに尋ねた。
「はい?」
「とぼけないで…。…見てたんだよね?尾(つ)けてたんだよね?でなきゃ、このタイミングで突然現れるなんて出来ないよね」
…!…やっぱり。
俺達が今日、この時間に、この場所に来ることは、彼らに知られていた。
一体いつから…。…何処から。
「我が国の大事なお客様に、万が一にも危険があっては困りますから」
しかし、シディ・サクメはにっこりと笑って、そう答えるだけで。
いつ、何処から尾けていたのかについては、何も言わなかった。
…こいつ…。
もしかして、今朝俺達がファニレス行きの列車に乗った時から…。
いや…もしかして、昨日の時点で…。
ホテルに泊まった時や、船に乗ってこの国にやって来たその時から、俺達の存在に気づいて…。
…有り得る。
あまりの不気味さに、寒気がした。
「立ち話もなんですから、さぁ、中にどうぞ」
と、シディ・サクメが促した。
「大丈夫ですよ。あなた方の安全は保証します」
…お前に保証されたところで、まったく安心出来ないんだけどな。
代わりに俺は、唯一この国で信頼出来る人物…傍らにいるシルナ…の顔を見つめた。
「シルナ…」
…どうする?
もしも引き返すなら、これが最後のチャンスだぞ。
このインチキクリスタル宮殿に、一歩でも足を踏み入れてしまえば…俺達は、どうなるか分からない。
「…大丈夫、羽久。行こう」
シルナはそう答えた。
…そうだよな。
キルディリア魔王国行きの船に乗った時点で…とっくに、俺達に引き返す道なんて残されていないのだ。
ならば、何が待ち受けていたとしても…前に進むしかなかった。
金色の魔導師証明書を持ってるってことは、それだけ優秀な魔導師なんだろう。
一体どんな魔法をどんな風に使うのか…。
とにかく、警戒対象であることに変わりはない。
しかし、シディ・サクメは相変わらず、人の良さそうな笑みを浮かべ。
「ようこそキルディリア魔王国へ、どうぞ、お入りください。シルナ・エインリー様。羽久・グラスフィア様」
と言って、クリスタル宮殿に…。
…いや、偽クリスタル宮殿に招待してきた。
「女王陛下が、首を長くしてお待ちです」
「…」
「大丈夫。そう警戒せずとも。あなた方は我が国の大事な賓客です。決して手荒な真似は致しません」
…どうだか。
アーリヤット皇国に突然殴りかかった連中が、「手荒な真似はしません」なんて言ったって。
信じられる訳ないだろ。
それに…。
「…君、いつから私達のことを見てたの?」
シルナは珍しく真剣な表情で、シディ・サクメに尋ねた。
「はい?」
「とぼけないで…。…見てたんだよね?尾(つ)けてたんだよね?でなきゃ、このタイミングで突然現れるなんて出来ないよね」
…!…やっぱり。
俺達が今日、この時間に、この場所に来ることは、彼らに知られていた。
一体いつから…。…何処から。
「我が国の大事なお客様に、万が一にも危険があっては困りますから」
しかし、シディ・サクメはにっこりと笑って、そう答えるだけで。
いつ、何処から尾けていたのかについては、何も言わなかった。
…こいつ…。
もしかして、今朝俺達がファニレス行きの列車に乗った時から…。
いや…もしかして、昨日の時点で…。
ホテルに泊まった時や、船に乗ってこの国にやって来たその時から、俺達の存在に気づいて…。
…有り得る。
あまりの不気味さに、寒気がした。
「立ち話もなんですから、さぁ、中にどうぞ」
と、シディ・サクメが促した。
「大丈夫ですよ。あなた方の安全は保証します」
…お前に保証されたところで、まったく安心出来ないんだけどな。
代わりに俺は、唯一この国で信頼出来る人物…傍らにいるシルナ…の顔を見つめた。
「シルナ…」
…どうする?
もしも引き返すなら、これが最後のチャンスだぞ。
このインチキクリスタル宮殿に、一歩でも足を踏み入れてしまえば…俺達は、どうなるか分からない。
「…大丈夫、羽久。行こう」
シルナはそう答えた。
…そうだよな。
キルディリア魔王国行きの船に乗った時点で…とっくに、俺達に引き返す道なんて残されていないのだ。
ならば、何が待ち受けていたとしても…前に進むしかなかった。


