俺達は、ようやくキルディリア魔王国王都ファニレスにある、王宮、ファニレス王宮に辿り着いた。
…ここまで長かった。
王宮を探す必要はなかった。
王都に辿り着いて、列車を降りるなり。
そこから既に、大きな宮殿の姿が見えていたからである。
市内のどの建物よりも大きくて、そして、圧巻だった。
「…何だ、この宮殿…」
俺は宮殿と聞いて、ルーデュニア聖王国の王宮や、アーリヤット皇国の皇宮を想像していたが。
でも、これは違う。
城だ。透明なお城。
王都のど真ん中に鎮座する、荘厳で美しい、水晶のお城。
そのお城を取り囲むように、水晶のガーデンゲートがそびえ立っている。
まるでこの場所だけ、お伽噺の世界から切り取ってきたかのようだ。
「クリスタル宮殿だなんて…。…悪趣味にも程があるぞ」
こんなところ、本当に人が住んでいるのか?
シンデレラだって、もっと趣味の良い宮殿に住んでると思うぞ。
「シルナ…元々この宮殿って、こんな透明な城だったのか?」
「いや、そんなはず…。…」
「…シルナ?」
どうして黙る?何か気になったことでも?
「…羽久。これ、よく見て」
「え?」
「この王宮。よく見てみて」
「…」
このクリスタル宮殿を?
俺は、じっと宮殿の壁や、取り囲むガーデンゲートを見つめた。
そして、シルナの言わんとすることを理解した。
「…これ…。…幻、じゃないか」
「うん」
一見、水晶のお城のように見えたけど。
お城全体が、不思議な魔力を纏っていることに気づいた。
お伽噺のお城は、見かけだけ。
お城の周囲全体に幻覚魔法をかけて、水晶のお城のように見せているだけで。
実際の建物は、まったく違う造形なのだ。
…まさか、そんなからくりが。
「幻覚魔法なんて…。どうして、そんなことを…」
「お見事です。この仕掛けにすぐ気づくとは」
「っ!?」
突然、背後から声がして。
驚いて振り向くと、そこには若い青年が立っていた。
「…あんた…」
…誰だ、と聞こうとして。
俺は、その青年が首から提げているものに気づいた。
金色だ。
ゴールドカード持ちの魔導師。
本当に…実在したのか。
俺がその証明書を凝視していることに気づいたのか、彼はにこっ、と微笑んだ。
「始めまして。自分はキルディリア女王に仕える、シディ・サクメと申します」
「…」
「驚いているようですね」
…そりゃそうだろ。
いきなり、金カード持ちが出てきたんだから。
…ここまで長かった。
王宮を探す必要はなかった。
王都に辿り着いて、列車を降りるなり。
そこから既に、大きな宮殿の姿が見えていたからである。
市内のどの建物よりも大きくて、そして、圧巻だった。
「…何だ、この宮殿…」
俺は宮殿と聞いて、ルーデュニア聖王国の王宮や、アーリヤット皇国の皇宮を想像していたが。
でも、これは違う。
城だ。透明なお城。
王都のど真ん中に鎮座する、荘厳で美しい、水晶のお城。
そのお城を取り囲むように、水晶のガーデンゲートがそびえ立っている。
まるでこの場所だけ、お伽噺の世界から切り取ってきたかのようだ。
「クリスタル宮殿だなんて…。…悪趣味にも程があるぞ」
こんなところ、本当に人が住んでいるのか?
シンデレラだって、もっと趣味の良い宮殿に住んでると思うぞ。
「シルナ…元々この宮殿って、こんな透明な城だったのか?」
「いや、そんなはず…。…」
「…シルナ?」
どうして黙る?何か気になったことでも?
「…羽久。これ、よく見て」
「え?」
「この王宮。よく見てみて」
「…」
このクリスタル宮殿を?
俺は、じっと宮殿の壁や、取り囲むガーデンゲートを見つめた。
そして、シルナの言わんとすることを理解した。
「…これ…。…幻、じゃないか」
「うん」
一見、水晶のお城のように見えたけど。
お城全体が、不思議な魔力を纏っていることに気づいた。
お伽噺のお城は、見かけだけ。
お城の周囲全体に幻覚魔法をかけて、水晶のお城のように見せているだけで。
実際の建物は、まったく違う造形なのだ。
…まさか、そんなからくりが。
「幻覚魔法なんて…。どうして、そんなことを…」
「お見事です。この仕掛けにすぐ気づくとは」
「っ!?」
突然、背後から声がして。
驚いて振り向くと、そこには若い青年が立っていた。
「…あんた…」
…誰だ、と聞こうとして。
俺は、その青年が首から提げているものに気づいた。
金色だ。
ゴールドカード持ちの魔導師。
本当に…実在したのか。
俺がその証明書を凝視していることに気づいたのか、彼はにこっ、と微笑んだ。
「始めまして。自分はキルディリア女王に仕える、シディ・サクメと申します」
「…」
「驚いているようですね」
…そりゃそうだろ。
いきなり、金カード持ちが出てきたんだから。


