…とはいえ。
もう、来ちゃったんだから仕方がない。
「…。…よし、シルナ。落ち込んでてもしょうがない」
折角船旅も終わって、キルディリア魔王国に入国したんだから。
「王宮に向かうのは明日にして…まずは、今夜の宿を探そうぜ」
「う…うん。そうだね」
ことさらに明るい口調で言うと、シルナも少し、気を持ち直したようだった。
「近くにホテル、あるかな…?」
「ここは港町だし、大丈夫だろ」
きっと、ホテルくらいあるはずだ。
…と、思っていたのだけど。
俺達の考えは甘かった。
「申し訳ありませんが、もう既にお部屋がいっぱいでして…」
「あ、そうなんですか…」
…もう何軒目のホテルだろうか。
ホテルはいっぱいあるのだけど、空室が全然ない。
何処もかしこも満室だらけ。
くそ…考えが甘かったか。
フロントで宿泊をお断りされ、スーツケースを手にホテルを出る。
「羽久…どうしよう。外、もう暗くなってきちゃったよ…」
「あぁ…。…ヤバいな」
俺達、このままじゃ今晩、外で夜を明かすことになるぞ。
俺はともかく、老体のシルナには辛い。
「羽久が私に失礼なことを考えてる気がする…」
「良いから。他にホテル…ないのか…?」
周辺をきょろきょろ。
もうこの際、すっごい安い民宿とかでも良いよ。
とにかく屋根のあるところで眠れるなら。
「おっ…。あっちにも建物があるぞ。あれもホテルか?」
「行ってみよう」
とにかく日が暮れる前にと、急ぎ足で向かう。
幸い、そこもホテルだった。
いよいよ切羽詰まってるから、ここに宿泊出来ないとヤバい。
「あの〜…すみません。部屋、空いてますか…?」
俺とシルナは、恐る恐るフロントに尋ねた。
すると。
「はい、少し待ってくださいね…。…。…えぇと…」
…どうだろう?
「…あー…」
…何?その「あー」って。
「やっぱり満室ですか…?」
「いえ…。一室だけ、空いてはいるんですが…」
え、マジ?
良かったぁ。
「実は、このお部屋…最上階のスイートルームでして…」
「すっ…スイートルーム?」
つまり、このホテルで一番お高い部屋しか空いてないよ、ってこと?
…うーん。これはキツいか。
だけど…外で寝るよりマシだよなぁ?
「シルナ…良いんじゃないか?この際、もう…スイートルームでも」
「そうだね…。…後でイレースちゃんに怒られるかもしれないけど…」
そんな高い部屋に宿泊するくらいなら、段ボールハウスでも建てなさい。とか言われそう。
…しかし。
「あの…失礼ですが、お客様はオレンジカードですよね?」
「えっ?」
フロント係は、困ったような顔でこちらに尋ねた。
もう、来ちゃったんだから仕方がない。
「…。…よし、シルナ。落ち込んでてもしょうがない」
折角船旅も終わって、キルディリア魔王国に入国したんだから。
「王宮に向かうのは明日にして…まずは、今夜の宿を探そうぜ」
「う…うん。そうだね」
ことさらに明るい口調で言うと、シルナも少し、気を持ち直したようだった。
「近くにホテル、あるかな…?」
「ここは港町だし、大丈夫だろ」
きっと、ホテルくらいあるはずだ。
…と、思っていたのだけど。
俺達の考えは甘かった。
「申し訳ありませんが、もう既にお部屋がいっぱいでして…」
「あ、そうなんですか…」
…もう何軒目のホテルだろうか。
ホテルはいっぱいあるのだけど、空室が全然ない。
何処もかしこも満室だらけ。
くそ…考えが甘かったか。
フロントで宿泊をお断りされ、スーツケースを手にホテルを出る。
「羽久…どうしよう。外、もう暗くなってきちゃったよ…」
「あぁ…。…ヤバいな」
俺達、このままじゃ今晩、外で夜を明かすことになるぞ。
俺はともかく、老体のシルナには辛い。
「羽久が私に失礼なことを考えてる気がする…」
「良いから。他にホテル…ないのか…?」
周辺をきょろきょろ。
もうこの際、すっごい安い民宿とかでも良いよ。
とにかく屋根のあるところで眠れるなら。
「おっ…。あっちにも建物があるぞ。あれもホテルか?」
「行ってみよう」
とにかく日が暮れる前にと、急ぎ足で向かう。
幸い、そこもホテルだった。
いよいよ切羽詰まってるから、ここに宿泊出来ないとヤバい。
「あの〜…すみません。部屋、空いてますか…?」
俺とシルナは、恐る恐るフロントに尋ねた。
すると。
「はい、少し待ってくださいね…。…。…えぇと…」
…どうだろう?
「…あー…」
…何?その「あー」って。
「やっぱり満室ですか…?」
「いえ…。一室だけ、空いてはいるんですが…」
え、マジ?
良かったぁ。
「実は、このお部屋…最上階のスイートルームでして…」
「すっ…スイートルーム?」
つまり、このホテルで一番お高い部屋しか空いてないよ、ってこと?
…うーん。これはキツいか。
だけど…外で寝るよりマシだよなぁ?
「シルナ…良いんじゃないか?この際、もう…スイートルームでも」
「そうだね…。…後でイレースちゃんに怒られるかもしれないけど…」
そんな高い部屋に宿泊するくらいなら、段ボールハウスでも建てなさい。とか言われそう。
…しかし。
「あの…失礼ですが、お客様はオレンジカードですよね?」
「えっ?」
フロント係は、困ったような顔でこちらに尋ねた。


