「…」
『玉響』は、俺達が飛び立った風穴を、じっと黙って見上げていた。
彼は、ベリクリーデの爆弾魔力攻撃を、すんでのところで回避していたのだ。
…ただし、俺達を止めることは出来なかった。
いや、止めなかった…と言うべきか。
「…鬼頭様。やはり逃げられました」
『玉響』は、耳につけたインカムを使って、鬼頭夜陰に報告した。
アジトに穴まで開けられたのだ。この騒動は、遠からず鬼頭にも届くはずだ。
「追撃部隊を編成しましょうか」
今すぐ追いかければ、まだ間に合うかもしれない。
そう思っての提案だったが…。
『追わんで良い』
鬼頭夜陰は、報告した『玉響』にそう答えた。
『必要なものは既に入手しておる。むしろ、命令に従わぬ駒など無価値でしかない』
「…分かりました」
鬼頭が言う、「必要なもの」。
それが何なのか、逃げるのに必死な今の俺達は、まだ知らなかった。
『玉響』は、俺達が飛び立った風穴を、じっと黙って見上げていた。
彼は、ベリクリーデの爆弾魔力攻撃を、すんでのところで回避していたのだ。
…ただし、俺達を止めることは出来なかった。
いや、止めなかった…と言うべきか。
「…鬼頭様。やはり逃げられました」
『玉響』は、耳につけたインカムを使って、鬼頭夜陰に報告した。
アジトに穴まで開けられたのだ。この騒動は、遠からず鬼頭にも届くはずだ。
「追撃部隊を編成しましょうか」
今すぐ追いかければ、まだ間に合うかもしれない。
そう思っての提案だったが…。
『追わんで良い』
鬼頭夜陰は、報告した『玉響』にそう答えた。
『必要なものは既に入手しておる。むしろ、命令に従わぬ駒など無価値でしかない』
「…分かりました」
鬼頭が言う、「必要なもの」。
それが何なのか、逃げるのに必死な今の俺達は、まだ知らなかった。


