神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

もっとごわごわしてるのかなと思ったけど、通気性が良くて伸縮性もあって、なかなか動きやすい。

へぇ。これ、結構着心地良かったんだね。

「ど、どうかな…?僕、暗殺者に見える…?」

別に暗殺者になりたい訳じゃないけど、今は変装しなきゃいけないから。

しかし、イレースさんは、僕の黒装束姿を一瞥し。

「全然様になってませんね」

「えっ…」

「うん。逆に怪しまれそう」

マシュリさんまで。

「えぇ…。僕、そんなに似合ってない…?」

「服を着てるんじゃなくて、服に着られてますね」

「顔が優しいから、黒装束を着てても暗殺者って感じが全然しないんだよ」

と、二人がそれぞれ言った。

えぇぇ…。

その一方で、イレースさんとマシュリさんは、黒装束がよく似合っていた。

さながら、熟練の暗殺者といった姿。

僕だけ全然似合ってない…。…何だか情けない。

この姿を、ナジュ君にも見られることになるのかと思うと…もっと情けない。

…だけど、そんなこと言ってられないよね。

姿格好なんてどうでも良い。

この服を着るのも、今だけなんだから。

「さぁ、グズグズしてないで行きますよ」

「う、うん…」

気絶した暗殺者さん達を、倉庫の陰に隠して。

僕達三人はいよいよ、倉庫を出て、黒装束で変装して、『アメノミコト』のアジトに潜入した。

待っててね、ナジュ君。今行くから。