何はともあれ。
「…よし、ベリクリーデ。よくやった」
まずは、全ての功労者であるベリクリーデを褒め、頭を撫でてやった。
「えへへ」
ご満悦な様子。
間違いなく、お前は今日のMVPだよ。
…それで。
「お前…花曇すぐりだな」
「君達、なんでこんなところにいるの?」
鉄格子の向こうから、花曇すぐりはじろっ、とこちらを睨んだ。
…なんで、じゃないだろ。
お前達の為に来たんだよ。
「…お前、俺等のこと知ってるか?」
「知ってる。聖魔騎士団の大隊長でしょー?剣を使う人と、それからトボけた人」
非常に的確な例えだな。
違うよ、と言えないところが切ない。
しかしベリクリーデは、何を思ったか。
「ジュリスは、とぼけてなんかいないよ?」
「お前のことだよ」
「えっ?」
ふざけんな。とぼけてるのはお前だけだ。
…それより。
「お前…こんなところに閉じ込められてたのか」
「うん」
俺は、そっと鉄格子に触れてみた。
…何の変哲もない。特に何か仕掛けが施されているという訳でもない。
動物や、魔力を持たない人を閉じ込める為の檻だ。
「…なんでこんなところに閉じ込められてるんだ?」
「は?」
「お前こそ、とぼけるなよ。お前なら、こんなところいつでも出られるはずだろ」
「…」
花曇すぐりは黙り込んで、無機質な冷たいコンクリートの床を見つめた。
お前、元『アメノミコト』の暗殺者なんだろう。
糸魔法という、便利な魔法を使う魔導師だそうだな。
そんなお前なら、この程度のチャチな鉄格子に閉じ込められるはずがない。
出ようと思えば、いつだって出られるはずだ。
それなのに、なんでまだ…自ら望んで、閉じ込められてるんだ?
「出てこいよ。こんなところにいても、何も解決しないぞ」
「…分かってないねー、君は」
あ?
「俺は閉じ込められてるんだよ。ここから出られないんだ」
「…」
花曇すぐりが言っているのは、物理的にこの檻から出られない、という意味ではないことはすぐに分かった。
理由があるのだ。
こんなチャチな鉄格子に囚われていなければならない、理由が。
この地下室に、花曇すぐりが縛り付けられている理由が。
「…脅されてるのか?」
それ以外に有り得ない。
「交換条件はなんだ?お前は、何の為に…誰の為に、ここに閉じこもってるんだ」
「…そんなの、言わなくても分かるでしょ?」
「…」
…そうだな。
恐らく、お前にとってもっとも大切な人…。
…黒月令月の為、なんだな。
「…よし、ベリクリーデ。よくやった」
まずは、全ての功労者であるベリクリーデを褒め、頭を撫でてやった。
「えへへ」
ご満悦な様子。
間違いなく、お前は今日のMVPだよ。
…それで。
「お前…花曇すぐりだな」
「君達、なんでこんなところにいるの?」
鉄格子の向こうから、花曇すぐりはじろっ、とこちらを睨んだ。
…なんで、じゃないだろ。
お前達の為に来たんだよ。
「…お前、俺等のこと知ってるか?」
「知ってる。聖魔騎士団の大隊長でしょー?剣を使う人と、それからトボけた人」
非常に的確な例えだな。
違うよ、と言えないところが切ない。
しかしベリクリーデは、何を思ったか。
「ジュリスは、とぼけてなんかいないよ?」
「お前のことだよ」
「えっ?」
ふざけんな。とぼけてるのはお前だけだ。
…それより。
「お前…こんなところに閉じ込められてたのか」
「うん」
俺は、そっと鉄格子に触れてみた。
…何の変哲もない。特に何か仕掛けが施されているという訳でもない。
動物や、魔力を持たない人を閉じ込める為の檻だ。
「…なんでこんなところに閉じ込められてるんだ?」
「は?」
「お前こそ、とぼけるなよ。お前なら、こんなところいつでも出られるはずだろ」
「…」
花曇すぐりは黙り込んで、無機質な冷たいコンクリートの床を見つめた。
お前、元『アメノミコト』の暗殺者なんだろう。
糸魔法という、便利な魔法を使う魔導師だそうだな。
そんなお前なら、この程度のチャチな鉄格子に閉じ込められるはずがない。
出ようと思えば、いつだって出られるはずだ。
それなのに、なんでまだ…自ら望んで、閉じ込められてるんだ?
「出てこいよ。こんなところにいても、何も解決しないぞ」
「…分かってないねー、君は」
あ?
「俺は閉じ込められてるんだよ。ここから出られないんだ」
「…」
花曇すぐりが言っているのは、物理的にこの檻から出られない、という意味ではないことはすぐに分かった。
理由があるのだ。
こんなチャチな鉄格子に囚われていなければならない、理由が。
この地下室に、花曇すぐりが縛り付けられている理由が。
「…脅されてるのか?」
それ以外に有り得ない。
「交換条件はなんだ?お前は、何の為に…誰の為に、ここに閉じこもってるんだ」
「…そんなの、言わなくても分かるでしょ?」
「…」
…そうだな。
恐らく、お前にとってもっとも大切な人…。
…黒月令月の為、なんだな。


