正直、「いや、使わないから」と突き返したかったが。
令月は令月なりに、俺達のこと心配してくれてるんだろうし。
…絶対使うことがない、とは言い切れないからな。
使わないとは思うけど。そっくりそのまま返すことを望んでいるけど。
…一応、持っていっておこう。…念の為に。
そして。
「で、これは俺からねー」
と言って、今度はすぐりが、何やら小さめのタッパーをくれた。
「…何これ?」
「暗殺道具は『八千代』が準備するって言ってたからさー。俺は保存食を用意したんだ」
ほ、保存食?
「ほら、違う国に行くと、食べ物が口に合うか心配になるじゃん?」
「そ、それは…まぁ…。…うん」
「だから、舌に馴染むものを持っていくべきだと思うんだよねー」
…それで、このタッパー?
「…何が入ってるんだ?これ」
「大根ときゅうりの糠漬け。ツキナと一緒に作ったんだー」
めっちゃ家庭の味。
お前ら園芸部は、そんなことまでしてるのか。
「うちの畑で穫れた野菜で作ってるんだよ」
自慢げ。
「そ、そうか…。それは…うん、ありがとうな…」
…思いも寄らない選別の品で、反応に困るけども。
前向きに考えよう。この糠漬けは意外と、良い刺激になるかもしれない。
ほら、シルナは甘いものが好きだからな。シルナに付き合って甘いものばっか食べてたら。
不意に、しょっぱいものが食べたくなるかもしれないじゃん?
「じゃ、元気に行ってきてねー」
「気をつけてね」
「お、おぉ…。お前らも元気でな」
それじゃあ、そろそろ行ってくるよ。
…それで。
「やっぱり待って!…チョコタルトも持っていった方が、」
「いつまで荷物を漁ってんだ。さっさと行くぞ!」
「あぁ〜っ!チョコ〜っ!!」
俺は、未練がましくスーツケースをごそごそしているシルナの肩を、むんずと掴み。
半ば引き摺るようにして、玄関から出ていった。
仲間達に見送られながら。
それじゃあな。我らがイーニシュフェルト魔導学院。
しばらくのお別れだ。
絶対、またここに…仲間達のもとに帰って来よう。
俺は、心の中で強くそう誓った。
令月は令月なりに、俺達のこと心配してくれてるんだろうし。
…絶対使うことがない、とは言い切れないからな。
使わないとは思うけど。そっくりそのまま返すことを望んでいるけど。
…一応、持っていっておこう。…念の為に。
そして。
「で、これは俺からねー」
と言って、今度はすぐりが、何やら小さめのタッパーをくれた。
「…何これ?」
「暗殺道具は『八千代』が準備するって言ってたからさー。俺は保存食を用意したんだ」
ほ、保存食?
「ほら、違う国に行くと、食べ物が口に合うか心配になるじゃん?」
「そ、それは…まぁ…。…うん」
「だから、舌に馴染むものを持っていくべきだと思うんだよねー」
…それで、このタッパー?
「…何が入ってるんだ?これ」
「大根ときゅうりの糠漬け。ツキナと一緒に作ったんだー」
めっちゃ家庭の味。
お前ら園芸部は、そんなことまでしてるのか。
「うちの畑で穫れた野菜で作ってるんだよ」
自慢げ。
「そ、そうか…。それは…うん、ありがとうな…」
…思いも寄らない選別の品で、反応に困るけども。
前向きに考えよう。この糠漬けは意外と、良い刺激になるかもしれない。
ほら、シルナは甘いものが好きだからな。シルナに付き合って甘いものばっか食べてたら。
不意に、しょっぱいものが食べたくなるかもしれないじゃん?
「じゃ、元気に行ってきてねー」
「気をつけてね」
「お、おぉ…。お前らも元気でな」
それじゃあ、そろそろ行ってくるよ。
…それで。
「やっぱり待って!…チョコタルトも持っていった方が、」
「いつまで荷物を漁ってんだ。さっさと行くぞ!」
「あぁ〜っ!チョコ〜っ!!」
俺は、未練がましくスーツケースをごそごそしているシルナの肩を、むんずと掴み。
半ば引き摺るようにして、玄関から出ていった。
仲間達に見送られながら。
それじゃあな。我らがイーニシュフェルト魔導学院。
しばらくのお別れだ。
絶対、またここに…仲間達のもとに帰って来よう。
俺は、心の中で強くそう誓った。


