しかし、ベリクリーデは諦めなかった。
「予約、してなきゃ入れないの?」
「それは…。…原則的には…」
「そっかー…。でも、私達が会いたいのは、本当に本当に大切な人なの」
説明を重ねるベリクリーデ。
そろそろ俺も、諦めの境地だぞ。
「どうしても会いたいの。駄目かなぁ」
「大切な人、というのは…?」
「大切な人は大切な人だよ。どうしても今日、会わなきゃいけないんだ」
「一体誰の…。…はっ」
見張り番が、突然声を詰まらせた。
何かに気づいたようだ。
令月達を取り返しに来た賊だとバレたか、とヒヤリとしたが。
「まさか…。鬼頭様の…?」
…え?
「鬼頭様に会いに来られたのですか?」
途端に、見張り番は険しい顔になった。
鬼頭…。『アメノミコト』の頭領だな。
まさか、この見張り番。
アポ無しで訪ねてきた俺とベリクリーデを、『アメノミコト』の頭領、鬼頭夜陰の客だと思い込んでる?
いやいや、俺達はこっそり、おたくのアジトに侵入しに来たのであって…。
…なんて、言える訳がないし。言っても多分、信じないと思う。
誰だって、侵入者が真正面から堂々と入ってくるとは思わないだろ。
俺もさっきまで、隠し通路から侵入するつもりだったし…。
俺達があまりに堂々と入ってきて、しかも堂々と自己紹介までしたものだから。
逆に、見張り番は俺達を怪しい者だと認識していない。
むしろ、『アメノミコト』の頭領、鬼頭夜陰に会いに来た賓客だと思われている。
見当違いも良いところだが、しかし俺は、この見張り番の誤解を利用することにした。
折角誤解してるんだから、そのまま誤解しておいてもらおう。
「え、あ、あー…。…まぁ、そんなところだ」
出来るだけ偉そうな態度で、横柄な口調でそう言った。
嘘です。ただの侵入者です。
「ちょっと…。あの…。おたくの頭領と約束があってな」
などと言いながら、俺の目はスイスイと泳いでいたに違いない。
だが、見張り番はそのことに気づかなかった。
「そ…そうでしたか。これは失礼しました」
慌てて、見張り番は機関銃を降ろし、深々とお辞儀した。
嘘だろ。
侵入しに来たのに、頭を下げられるなんて。
「どうぞ、お入りください」
「お、おぉ…どうも」
「ありがとねー」
俺は大股で歩きながら、正々堂々と真正面の入り口から、アジトに入った。
ベリクリーデは、見張り番にひらひらと手を振っていた。
…偉そうな態度を取ってはいるが、実は心臓はばくばく鳴っている。
何とか、咎められずに忍び込んだ。
…いや、これは忍び込んだと言えるのか?
普通に入っただけでは?
後々、俺達がただの侵入者だと発覚して、あの見張り番が罰を受けないことを祈るばかりである。
「予約、してなきゃ入れないの?」
「それは…。…原則的には…」
「そっかー…。でも、私達が会いたいのは、本当に本当に大切な人なの」
説明を重ねるベリクリーデ。
そろそろ俺も、諦めの境地だぞ。
「どうしても会いたいの。駄目かなぁ」
「大切な人、というのは…?」
「大切な人は大切な人だよ。どうしても今日、会わなきゃいけないんだ」
「一体誰の…。…はっ」
見張り番が、突然声を詰まらせた。
何かに気づいたようだ。
令月達を取り返しに来た賊だとバレたか、とヒヤリとしたが。
「まさか…。鬼頭様の…?」
…え?
「鬼頭様に会いに来られたのですか?」
途端に、見張り番は険しい顔になった。
鬼頭…。『アメノミコト』の頭領だな。
まさか、この見張り番。
アポ無しで訪ねてきた俺とベリクリーデを、『アメノミコト』の頭領、鬼頭夜陰の客だと思い込んでる?
いやいや、俺達はこっそり、おたくのアジトに侵入しに来たのであって…。
…なんて、言える訳がないし。言っても多分、信じないと思う。
誰だって、侵入者が真正面から堂々と入ってくるとは思わないだろ。
俺もさっきまで、隠し通路から侵入するつもりだったし…。
俺達があまりに堂々と入ってきて、しかも堂々と自己紹介までしたものだから。
逆に、見張り番は俺達を怪しい者だと認識していない。
むしろ、『アメノミコト』の頭領、鬼頭夜陰に会いに来た賓客だと思われている。
見当違いも良いところだが、しかし俺は、この見張り番の誤解を利用することにした。
折角誤解してるんだから、そのまま誤解しておいてもらおう。
「え、あ、あー…。…まぁ、そんなところだ」
出来るだけ偉そうな態度で、横柄な口調でそう言った。
嘘です。ただの侵入者です。
「ちょっと…。あの…。おたくの頭領と約束があってな」
などと言いながら、俺の目はスイスイと泳いでいたに違いない。
だが、見張り番はそのことに気づかなかった。
「そ…そうでしたか。これは失礼しました」
慌てて、見張り番は機関銃を降ろし、深々とお辞儀した。
嘘だろ。
侵入しに来たのに、頭を下げられるなんて。
「どうぞ、お入りください」
「お、おぉ…どうも」
「ありがとねー」
俺は大股で歩きながら、正々堂々と真正面の入り口から、アジトに入った。
ベリクリーデは、見張り番にひらひらと手を振っていた。
…偉そうな態度を取ってはいるが、実は心臓はばくばく鳴っている。
何とか、咎められずに忍び込んだ。
…いや、これは忍び込んだと言えるのか?
普通に入っただけでは?
後々、俺達がただの侵入者だと発覚して、あの見張り番が罰を受けないことを祈るばかりである。


