知らない人についていっちゃ駄目、って。小学生の時習わなかったのか。俺は。
…まぁ、習わなかったんだけど。
でも、こんなに間抜けに敵の罠に引っかかるなんて。
教師失格じゃないか。俺は。
それじゃあこのホステルにも、もしかしてこの女性の仲間が…。
…しかし。
「大丈夫だよ。怖い人じゃない」
「え…」
「怖いことは何もしないよ」
ベリクリーデは相変わらず、確信を持って言った。
そ…そうなのか?
俺達のことも、『アメノミコト』のことも知っていて。
しかも、こんなところに連れてこられた時点で…充分に怖いけどな。
「その通りです。私は、あなた方に危害を加えるつもりはありません。『アメノミコト』に近寄ってはいけないという忠告も、嘘ではありません」
と、その女性が言った。
「…どういうことだよ?」
俺は警戒心を剥き出しにして聞き返した。
いざとなったら、例え手荒な方法を使っても、ここから脱出するつもりだった。
捕まった令月達を助けに来たのに、俺達が捕まってどうするんだよ。
ミイラ取りじゃないんだから。
「あんた、まさか『アメノミコト』の斥候か何か…」
「違います。…あのような薄汚い暗殺者集団と一緒にしないでください」
…それはごめん。
「それなら、あなたは何者なんです。何故私達を知ってるんですか」
こんな時でも、イレースは冷静に質問した。
「…私の名は、エニスと言います」
俺達をここに連れて来た女性が、そう名乗った。
エニス…さん。
そんな名前だったんだな。
「私は『アメノミコト』ではありません。私は…『八岐の大蛇』から来ました」
…えっと?
何だか、聞き覚えのない言葉が出てきた。
「『八岐の大蛇』…?」
何だそれは。
「…神話の怪物だな」
と、ジュリス。
あぁ、そうだ。それだ。
確か、頭と尻尾が八つもあるヘビなんだっけ。
それで、八岐の大蛇って名前で…。
「『八岐の大蛇』は、ジャマ王国に出来た、傭兵組織の名前なんです」
そう、エニスが説明してくれた。
「傭兵組織…?」
「そうです」
「…じゃあ、あんたも傭兵なのか?」
「はい。そうです」
傭兵組織…。…傭兵。
っていうことは、この人は…強制的に従わされている『アメノミコト』の暗殺者と違って。
『八岐の大蛇』という組織で、金で雇われてる傭兵ってこと…?
「…シルナ、聞いたことあるか?」
俺は聞いたことないぞ。『八岐の大蛇』なんて。
ジャマ王国と言えば『アメノミコト』一強、だと思い込んでいた。
「え?そ…そうだね。私も初耳だよ…」
ほら。シルナも知らないって。
一体、いつの間にそんな組織が出来たんだ?
ジャマ王国出身の令月とすぐりも、一度も『八岐の大蛇』なんて組織の名前を口にしたことはなかったはずだ。
すると、エニスは。
「無理もありません。『八岐の大蛇』はつい最近になって台頭し始めた組織ですから」
「…そうなのか?」
「はい。これまではずっと、あの忌まわしい『アメノミコト』が、ジャマ王国の裏社会を実質支配してきた…」
「…」
「ですが、今は違う。私達『八岐の大蛇』は、『アメノミコト』の独裁を許さない。私達は、自分が人間であることを忘れていない」
…。
…俺、『八岐の大蛇』のことなんて初耳で、全然知らないけど。
だけど…このエニスという女性が、『アメノミコト』を心底憎んでいる、というこもだけは伝わってきた。
…まぁ、習わなかったんだけど。
でも、こんなに間抜けに敵の罠に引っかかるなんて。
教師失格じゃないか。俺は。
それじゃあこのホステルにも、もしかしてこの女性の仲間が…。
…しかし。
「大丈夫だよ。怖い人じゃない」
「え…」
「怖いことは何もしないよ」
ベリクリーデは相変わらず、確信を持って言った。
そ…そうなのか?
俺達のことも、『アメノミコト』のことも知っていて。
しかも、こんなところに連れてこられた時点で…充分に怖いけどな。
「その通りです。私は、あなた方に危害を加えるつもりはありません。『アメノミコト』に近寄ってはいけないという忠告も、嘘ではありません」
と、その女性が言った。
「…どういうことだよ?」
俺は警戒心を剥き出しにして聞き返した。
いざとなったら、例え手荒な方法を使っても、ここから脱出するつもりだった。
捕まった令月達を助けに来たのに、俺達が捕まってどうするんだよ。
ミイラ取りじゃないんだから。
「あんた、まさか『アメノミコト』の斥候か何か…」
「違います。…あのような薄汚い暗殺者集団と一緒にしないでください」
…それはごめん。
「それなら、あなたは何者なんです。何故私達を知ってるんですか」
こんな時でも、イレースは冷静に質問した。
「…私の名は、エニスと言います」
俺達をここに連れて来た女性が、そう名乗った。
エニス…さん。
そんな名前だったんだな。
「私は『アメノミコト』ではありません。私は…『八岐の大蛇』から来ました」
…えっと?
何だか、聞き覚えのない言葉が出てきた。
「『八岐の大蛇』…?」
何だそれは。
「…神話の怪物だな」
と、ジュリス。
あぁ、そうだ。それだ。
確か、頭と尻尾が八つもあるヘビなんだっけ。
それで、八岐の大蛇って名前で…。
「『八岐の大蛇』は、ジャマ王国に出来た、傭兵組織の名前なんです」
そう、エニスが説明してくれた。
「傭兵組織…?」
「そうです」
「…じゃあ、あんたも傭兵なのか?」
「はい。そうです」
傭兵組織…。…傭兵。
っていうことは、この人は…強制的に従わされている『アメノミコト』の暗殺者と違って。
『八岐の大蛇』という組織で、金で雇われてる傭兵ってこと…?
「…シルナ、聞いたことあるか?」
俺は聞いたことないぞ。『八岐の大蛇』なんて。
ジャマ王国と言えば『アメノミコト』一強、だと思い込んでいた。
「え?そ…そうだね。私も初耳だよ…」
ほら。シルナも知らないって。
一体、いつの間にそんな組織が出来たんだ?
ジャマ王国出身の令月とすぐりも、一度も『八岐の大蛇』なんて組織の名前を口にしたことはなかったはずだ。
すると、エニスは。
「無理もありません。『八岐の大蛇』はつい最近になって台頭し始めた組織ですから」
「…そうなのか?」
「はい。これまではずっと、あの忌まわしい『アメノミコト』が、ジャマ王国の裏社会を実質支配してきた…」
「…」
「ですが、今は違う。私達『八岐の大蛇』は、『アメノミコト』の独裁を許さない。私達は、自分が人間であることを忘れていない」
…。
…俺、『八岐の大蛇』のことなんて初耳で、全然知らないけど。
だけど…このエニスという女性が、『アメノミコト』を心底憎んでいる、というこもだけは伝わってきた。


