ここ、大丈夫だよな?
何か罠が仕掛けられてるんじゃないかと、周囲をきょろきょろと見渡したが。
…怪しいものはなさそう。多分。
ジャマ王国の中、ってだけで充分怪しいけど。
だけどベリクリーデが言うように、この若い女性は信用出来る…。…かな?
「あの…君は…」
ホステルに入ってから、シルナが、おずおずとその女性に声をかけた。
すると。
「あの近くには暗殺組織のアジトがあるんです。近寄ったら危ないですよ」
と、女性が教えてくれた。
いや、それは…知ってるんだけど。
それを分かってて行ったんだけど。
「ご存知ですか?『アメノミコト』っていう組織が…」
「あ、うん…。それは…知ってる、けど」
「知ってて行ったんですか?」
「…」
…うん。
「…物珍しいのかもしれませんけど、あの組織は本当に危ないんです。物見遊山で近づいてはいけませんよ」
「あ、そ…う、だね。うん。ありがとう…」
この女性、本当に親切心から忠告してくれたんだろうか?
あの付近は危ないから、近寄るなと…。
「あなた達は、旅行者なんですか?」
「…えっと…」
「ジャマ王国に?…珍しいですね。あまり有名な観光地はないはずですけど…」
「…えぇと…」
「…一体どうしてここに?」
「…」
とうとう返答に困って、黙り込んでしまうシルナ。
…俺も困ってる。
なんて答えれば良いのか…。まさか、その危険な暗殺組織にこっそり潜入しようとしてました、なんて言えず。
本当に、この人を信用して良いのかも分からず。
「あなたに説明する義理はないはずです」
返答に困った、俺とシルナの代わりに。
何でもはっきりきっぱり主張する主義のイレースが、いつも通り容赦なく答えた。
なんともつっけんどんな対応だが。
この場合、これくらいはっきり言った方が良いのかもしれない。
無関係の彼女を巻き込まない為にも。
「私達が何処で何をしようと、それは私達の勝手では?」
「…そうですけど。でも、『アメノミコト』は本当に恐ろしいんですよ」
…知ってる。
だからこそ、仲間をその恐ろしい組織から救い出しに来たんだ。
「迂闊に関わらない方が良いです。彼らは…」
「それが余計なお世話だって言ってんだよ」
ジュリスもまた、敢えてつっけんどんな態度を取った。
ジュリスの性格からして、やはり、善意から俺達に忠告してくれたこの女性を巻き込まないよう。
敢えて失礼な口調で、突き放そうとしているのだ。
「俺等には俺等の事情があるんだ。口挟まないでもらえるか」
さすがにここまで言えば、引き下がってくれる。
と、思いきや。
「もしかしてあなた達…。『アメノミコト』に暗殺を依頼する為に来たんじゃありませんよね?」
俺達のあまりに頑なな態度が、むしろ、余計に疑いを強めてしまったらしく。
疑わしげに、そう聞かれてしまった。
…うぐ。
そ…そういう訳では、ないんだけど。
「なんという…愚かな真似を」
俺達の沈黙を、肯定の意と捉えたらしく。
彼女は眉間に皺を寄せて、更に忠告を繰り返した。
「絶対に駄目です。どんな理由があっても…『アメノミコト』に暗殺を依頼するなんて」
「いや…あの…別に、そんなことは…」
「あの冷酷無比な暗殺者組織が、暗殺者を育てる為にどんなことをしているか…。どんなに残虐なことをしているか知っていたら、『アメノミコト』と関わり合いになろうとは思わないはずです」
「だから…その…。…それも分かってるんだけど…」
シルナ、しどろもどろ。
関わり合いに…なりたくなくても、既に俺達、もう関わっちゃってるんだよな。
時既に遅し。
何か罠が仕掛けられてるんじゃないかと、周囲をきょろきょろと見渡したが。
…怪しいものはなさそう。多分。
ジャマ王国の中、ってだけで充分怪しいけど。
だけどベリクリーデが言うように、この若い女性は信用出来る…。…かな?
「あの…君は…」
ホステルに入ってから、シルナが、おずおずとその女性に声をかけた。
すると。
「あの近くには暗殺組織のアジトがあるんです。近寄ったら危ないですよ」
と、女性が教えてくれた。
いや、それは…知ってるんだけど。
それを分かってて行ったんだけど。
「ご存知ですか?『アメノミコト』っていう組織が…」
「あ、うん…。それは…知ってる、けど」
「知ってて行ったんですか?」
「…」
…うん。
「…物珍しいのかもしれませんけど、あの組織は本当に危ないんです。物見遊山で近づいてはいけませんよ」
「あ、そ…う、だね。うん。ありがとう…」
この女性、本当に親切心から忠告してくれたんだろうか?
あの付近は危ないから、近寄るなと…。
「あなた達は、旅行者なんですか?」
「…えっと…」
「ジャマ王国に?…珍しいですね。あまり有名な観光地はないはずですけど…」
「…えぇと…」
「…一体どうしてここに?」
「…」
とうとう返答に困って、黙り込んでしまうシルナ。
…俺も困ってる。
なんて答えれば良いのか…。まさか、その危険な暗殺組織にこっそり潜入しようとしてました、なんて言えず。
本当に、この人を信用して良いのかも分からず。
「あなたに説明する義理はないはずです」
返答に困った、俺とシルナの代わりに。
何でもはっきりきっぱり主張する主義のイレースが、いつも通り容赦なく答えた。
なんともつっけんどんな対応だが。
この場合、これくらいはっきり言った方が良いのかもしれない。
無関係の彼女を巻き込まない為にも。
「私達が何処で何をしようと、それは私達の勝手では?」
「…そうですけど。でも、『アメノミコト』は本当に恐ろしいんですよ」
…知ってる。
だからこそ、仲間をその恐ろしい組織から救い出しに来たんだ。
「迂闊に関わらない方が良いです。彼らは…」
「それが余計なお世話だって言ってんだよ」
ジュリスもまた、敢えてつっけんどんな態度を取った。
ジュリスの性格からして、やはり、善意から俺達に忠告してくれたこの女性を巻き込まないよう。
敢えて失礼な口調で、突き放そうとしているのだ。
「俺等には俺等の事情があるんだ。口挟まないでもらえるか」
さすがにここまで言えば、引き下がってくれる。
と、思いきや。
「もしかしてあなた達…。『アメノミコト』に暗殺を依頼する為に来たんじゃありませんよね?」
俺達のあまりに頑なな態度が、むしろ、余計に疑いを強めてしまったらしく。
疑わしげに、そう聞かれてしまった。
…うぐ。
そ…そういう訳では、ないんだけど。
「なんという…愚かな真似を」
俺達の沈黙を、肯定の意と捉えたらしく。
彼女は眉間に皺を寄せて、更に忠告を繰り返した。
「絶対に駄目です。どんな理由があっても…『アメノミコト』に暗殺を依頼するなんて」
「いや…あの…別に、そんなことは…」
「あの冷酷無比な暗殺者組織が、暗殺者を育てる為にどんなことをしているか…。どんなに残虐なことをしているか知っていたら、『アメノミコト』と関わり合いになろうとは思わないはずです」
「だから…その…。…それも分かってるんだけど…」
シルナ、しどろもどろ。
関わり合いに…なりたくなくても、既に俺達、もう関わっちゃってるんだよな。
時既に遅し。


