そもそも、こうなることは分かりきっていたはずだ。
「それとも、うちの暗殺魔導師達はそんなに才能がありませんか?」
「…そういう訳じゃないんですよ」
ここで、「はい、彼らは無能です」なんて答えようものなら。
役立たずのレッテルを貼られ、処分されてしまうかもしれない。
でも、彼らが読心魔法をまったく会得出来ないのは、『アメノミコト』の暗殺魔導師達に才能がないから、ではない。
むしろ、凄く優秀な魔導師の卵なんですよ。
イーニシュフェルト魔導学院の生徒達…に比べると、やや見劣りはしますが。
それでも、基礎的な魔法は全部使えるし、教えたことを覚えるのも速い。
だけど…読心魔法を習得出来る者は、一人もいない。
それは、彼らが無能だからではなく…。
「あなた達、読心魔法のことを逆上がりか何かだと勘違いしてません?」
がむしゃらに練習して、それで出来るようになるものじゃない。
例えるなら、立ち方、歩き方を人に教えるようなもの。
特に練習した覚えはないのに、いつの間にか出来るようになってることって、あるでしょう?
僕にとって読心魔法って、それなんですよ。
僕自身、この読心魔法を誰かに教わったことはない。
気づいたら、出来るようになっていた。
理屈なんて知らない。コツなんて分からない。
学院長曰く、読心魔法の魔導科学は、まだまだ解明されていない分野なのだとか…。
それをどうやって教えろって言うんですか。
「教科書もない、読心魔法は目に見えないから、お手本を見せるという訳にもいかない。教えたくても、教えようがないんですよ」
という、僕の切実な訴えに。
「…」
『玉響』さんは、疑わしそうに僕を見つめていた。
…嘘ついてると思ってるでしょう。
僕が読心魔法を他人に教えたくないから。『アメノミコト』に与するような真似をしたくないから。
だから、わざと「教えられない」と言い張ってるだけじゃないか、って。
違うんですよ。…本当なんですってば。
それなのに、あろうことか。
「その理屈は通用しません」
『玉響』さんは、きっぱりと言い切った。
「あなたの役目は、『アメノミコト』の暗殺魔導師に読心魔法を教えること。それが出来ないなら…」
「処分、ですか?」
「あなたにそれは通用しません。だから…制裁は、今も地下室に監禁している先輩方に、代わりに受けてもらいます」
「…」
あぁ、成程。
つまり…僕が、教え子となった暗殺魔導師に、読心魔法を仕込まなければ。
令月さんとすぐりさんをルーデュニア聖王国に返す、という約束は果たせないってことですね。
いかにも暗殺者らしい。卑怯なやり方じゃないですか。
本当に反吐が出ますね。
「精々、努力してください。あなたが役立たずではないことを願っています」
「…ちっ…」
僕にしては珍しく、舌打ちしてしまった。
イレースさんじゃないんだから。
教えたくても、教えられないんですよ。
こうなると最早…読心魔法を会得させることよりも、僕に嫌がらせしたいだけなんじゃないか、とさえ思えてくる。
…リリス。僕、一体どうしたら良いんでしょうね?
「それとも、うちの暗殺魔導師達はそんなに才能がありませんか?」
「…そういう訳じゃないんですよ」
ここで、「はい、彼らは無能です」なんて答えようものなら。
役立たずのレッテルを貼られ、処分されてしまうかもしれない。
でも、彼らが読心魔法をまったく会得出来ないのは、『アメノミコト』の暗殺魔導師達に才能がないから、ではない。
むしろ、凄く優秀な魔導師の卵なんですよ。
イーニシュフェルト魔導学院の生徒達…に比べると、やや見劣りはしますが。
それでも、基礎的な魔法は全部使えるし、教えたことを覚えるのも速い。
だけど…読心魔法を習得出来る者は、一人もいない。
それは、彼らが無能だからではなく…。
「あなた達、読心魔法のことを逆上がりか何かだと勘違いしてません?」
がむしゃらに練習して、それで出来るようになるものじゃない。
例えるなら、立ち方、歩き方を人に教えるようなもの。
特に練習した覚えはないのに、いつの間にか出来るようになってることって、あるでしょう?
僕にとって読心魔法って、それなんですよ。
僕自身、この読心魔法を誰かに教わったことはない。
気づいたら、出来るようになっていた。
理屈なんて知らない。コツなんて分からない。
学院長曰く、読心魔法の魔導科学は、まだまだ解明されていない分野なのだとか…。
それをどうやって教えろって言うんですか。
「教科書もない、読心魔法は目に見えないから、お手本を見せるという訳にもいかない。教えたくても、教えようがないんですよ」
という、僕の切実な訴えに。
「…」
『玉響』さんは、疑わしそうに僕を見つめていた。
…嘘ついてると思ってるでしょう。
僕が読心魔法を他人に教えたくないから。『アメノミコト』に与するような真似をしたくないから。
だから、わざと「教えられない」と言い張ってるだけじゃないか、って。
違うんですよ。…本当なんですってば。
それなのに、あろうことか。
「その理屈は通用しません」
『玉響』さんは、きっぱりと言い切った。
「あなたの役目は、『アメノミコト』の暗殺魔導師に読心魔法を教えること。それが出来ないなら…」
「処分、ですか?」
「あなたにそれは通用しません。だから…制裁は、今も地下室に監禁している先輩方に、代わりに受けてもらいます」
「…」
あぁ、成程。
つまり…僕が、教え子となった暗殺魔導師に、読心魔法を仕込まなければ。
令月さんとすぐりさんをルーデュニア聖王国に返す、という約束は果たせないってことですね。
いかにも暗殺者らしい。卑怯なやり方じゃないですか。
本当に反吐が出ますね。
「精々、努力してください。あなたが役立たずではないことを願っています」
「…ちっ…」
僕にしては珍しく、舌打ちしてしまった。
イレースさんじゃないんだから。
教えたくても、教えられないんですよ。
こうなると最早…読心魔法を会得させることよりも、僕に嫌がらせしたいだけなんじゃないか、とさえ思えてくる。
…リリス。僕、一体どうしたら良いんでしょうね?


