「何が駄目なんですか?いい加減、『アメノミコト』も表舞台から降りる、良い機会なのでは?」
古いものは淘汰され、新しいものに変えられる。
『アメノミコト』も、大きな転換期を迎えているということです。
潔く、後のことは優良企業の『八岐の大蛇』に譲って。
鬼頭夜陰は精々、報復に怯えながら、のんびりと隠居生活を楽しむのも良いのでは?
「そういう訳にはいきません。『アメノミコト』は、ジャマ王国裏社会で築いてきた立場がありますから」
「そんな古いものに固執してるから、ぽっと出の傭兵組織にお株を乗っ取られるんですよ」
どうせ僕は殺されないので、言いたい放題言わせてもらいますよ。
「どうしても消えたくないのなら、『アメノミコト』も社内改革をしたらどうですか?」
所属している暗殺者に、ちゃんと充分なお給料とお休みをあげて。
人間らしく扱って、コードネームなんかじゃなくて、ちゃんと本当の名前で呼んであげて。
クローンなんて作るのは一切やめて、それから人身売買や、子供の洗脳教育やら。
そういう後ろ暗いことをぜーんぶやめて、そして今の鬼頭夜陰は引退させて。
新しい、民主的なリーダーを決める。
ここまですれば、社員の皆さんもついてきてくれるのでは?
まぁ、それでも泥舟であることに変わりはありませんけど。
僕も一応、教師の端くれとして、人にモノを教える立場になって、それで学んだ。
人間を教え導くには、鞭だけではなく、飴も必要だ。
巧みに飴と鞭を交互に与えてこそ、人は大成する。
とはいえ僕は基本、飴しか与えてませんけどね。
ほら、僕、褒められて伸びるタイプなので。
人のことは褒めてあげたいんです。
その代わり、イレースさんは鞭しか与えてないので、それでイーブンってことで。
とにかく、『アメノミコト』が旧来のやり方を続けて、このまま存続していくのは無理だ。
誰だって、任務に失敗して殺される恐怖に怯えながら、人を殺したくはないですからね。
…それなのに、『玉響』さんは頑なだった。
「歴史ある『アメノミコト』が変わる必要はありません」
この人達は、アレですね。
例え泥舟が浸水を始めても、「そんな泥舟は捨てて、新しい船に乗り換えなさい」と忠告されても。
それでも、その崩れた泥舟にしがみついて、ついでにプライドとやらを抱き締めて、そのまま海の底に沈むことを望むんですね。
そういう趣味があるなら、どうぞお好きに、と言いたいところですが。
自分がそれに巻き込まれるとなれば、話は違う。
僕は確かに自殺願望の塊ですが、でも、泥舟に乗って沈むのは御免ですよ。
「とはいえ、『八岐の大蛇』が台頭してきた以上、これまで通りのやり方では限界があることは承知しています。そこで、新たなアプローチを試みることにしました」
「…その新しいアプリとやらが、暗殺者クローンの製作計画ですか」
「そして、あなたです」
…僕?
「読心魔法はとても便利な魔法ですから。扱える者が一人いれば、暗殺任務に非常に役立つ」
「随分と人気者で困りますね」
「あなたが必要なのではありません。読心魔法が必要なんです」
僕の価値は読心魔法だけですか。
「もとより、あなたに読心魔法を使わせるつもりはありません。あなたは元々敵側の人間ですから。あなたの言うことを完全に信用することはない」
無理矢理協力させておいて、酷い言い草ですね。
でも、僕に読心魔法を使わせるつもりがないなら…。
「それなら、何で僕を連れてきたんですか」
「あなたの役目は、読心魔法を使うことではない。『アメノミコト』の暗殺者に、読心魔法を教えることです」
これには、僕も思わず面食らってしまった。
読心魔法を…。…教える?
古いものは淘汰され、新しいものに変えられる。
『アメノミコト』も、大きな転換期を迎えているということです。
潔く、後のことは優良企業の『八岐の大蛇』に譲って。
鬼頭夜陰は精々、報復に怯えながら、のんびりと隠居生活を楽しむのも良いのでは?
「そういう訳にはいきません。『アメノミコト』は、ジャマ王国裏社会で築いてきた立場がありますから」
「そんな古いものに固執してるから、ぽっと出の傭兵組織にお株を乗っ取られるんですよ」
どうせ僕は殺されないので、言いたい放題言わせてもらいますよ。
「どうしても消えたくないのなら、『アメノミコト』も社内改革をしたらどうですか?」
所属している暗殺者に、ちゃんと充分なお給料とお休みをあげて。
人間らしく扱って、コードネームなんかじゃなくて、ちゃんと本当の名前で呼んであげて。
クローンなんて作るのは一切やめて、それから人身売買や、子供の洗脳教育やら。
そういう後ろ暗いことをぜーんぶやめて、そして今の鬼頭夜陰は引退させて。
新しい、民主的なリーダーを決める。
ここまですれば、社員の皆さんもついてきてくれるのでは?
まぁ、それでも泥舟であることに変わりはありませんけど。
僕も一応、教師の端くれとして、人にモノを教える立場になって、それで学んだ。
人間を教え導くには、鞭だけではなく、飴も必要だ。
巧みに飴と鞭を交互に与えてこそ、人は大成する。
とはいえ僕は基本、飴しか与えてませんけどね。
ほら、僕、褒められて伸びるタイプなので。
人のことは褒めてあげたいんです。
その代わり、イレースさんは鞭しか与えてないので、それでイーブンってことで。
とにかく、『アメノミコト』が旧来のやり方を続けて、このまま存続していくのは無理だ。
誰だって、任務に失敗して殺される恐怖に怯えながら、人を殺したくはないですからね。
…それなのに、『玉響』さんは頑なだった。
「歴史ある『アメノミコト』が変わる必要はありません」
この人達は、アレですね。
例え泥舟が浸水を始めても、「そんな泥舟は捨てて、新しい船に乗り換えなさい」と忠告されても。
それでも、その崩れた泥舟にしがみついて、ついでにプライドとやらを抱き締めて、そのまま海の底に沈むことを望むんですね。
そういう趣味があるなら、どうぞお好きに、と言いたいところですが。
自分がそれに巻き込まれるとなれば、話は違う。
僕は確かに自殺願望の塊ですが、でも、泥舟に乗って沈むのは御免ですよ。
「とはいえ、『八岐の大蛇』が台頭してきた以上、これまで通りのやり方では限界があることは承知しています。そこで、新たなアプローチを試みることにしました」
「…その新しいアプリとやらが、暗殺者クローンの製作計画ですか」
「そして、あなたです」
…僕?
「読心魔法はとても便利な魔法ですから。扱える者が一人いれば、暗殺任務に非常に役立つ」
「随分と人気者で困りますね」
「あなたが必要なのではありません。読心魔法が必要なんです」
僕の価値は読心魔法だけですか。
「もとより、あなたに読心魔法を使わせるつもりはありません。あなたは元々敵側の人間ですから。あなたの言うことを完全に信用することはない」
無理矢理協力させておいて、酷い言い草ですね。
でも、僕に読心魔法を使わせるつもりがないなら…。
「それなら、何で僕を連れてきたんですか」
「あなたの役目は、読心魔法を使うことではない。『アメノミコト』の暗殺者に、読心魔法を教えることです」
これには、僕も思わず面食らってしまった。
読心魔法を…。…教える?


