神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

…ったく、ほんとお人好しなんだから。

そして、命知らずにも程がある。

だけど、そのシルナの答えが、シルナなりに考えた上の判断であることも俺は知っている。

シルナがずっと、この国を裏から守ってきたのだ。

きっと、今回もそうなるであろうことを信じている。

俺も、きっとフユリ様も。

…そして何より、俺がそうさせてみせる。

「シルナ…。言っておくが、お前を一人では行かせないぞ」

前回、シルナがキルディリア魔王国に行った時は、俺は学院で留守番だった。

だが、今回はもう、大人しく留守番はしていられないぞ。
 
何が何でもついていく。

「…うん。分かってるよ」

シルナは、苦笑いしながら答えた。

よし。それで良い。

「どうかお願いします、シルナ学院長先生。それに羽久さん…」

「大丈夫ですよ、フユリ様。心配しないでください」

「…そしてどうか、お二人共無事に帰ってきてくださいね」 

…言われずとも。そのつもりだ。

俺達の居場所はここ、ルーデュニア聖王国のイーニシュフェルト魔導学院なのだから。