「あなたは『玉響』のことを、何も知らなかったじゃないですか」
「…それは…」
言い返せなかった。その通りだったからだ。
『アメノミコト』の暗殺者は、基本的に仲間意識がない。
同じ組織に所属する仲間でありながら、お互いの素性を何も知らないのだ。
任務を共にすることはあっても、話をするのは任務に関する話題ばかりで、不必要なことは一切喋らない。
互いにコードネームで呼び合い、本名も知らない。
だから、俺も…『玉響』のことは、何も知らなかった。
『玉響』というコードネーム以外、何も…。
「先輩。あなたは『玉響』を知らない。そんなあなたが、どうして僕を『玉響』じゃないと言い切れるんですか?」
「…」
「僕は『玉響』ですよ、『八千歳』先輩。時を経て、またあなたに会いに来たんです」
…あぁ、そう。
それはそれは…。
「…何の為に?」
「そんなの決まってるじゃないですか」
『玉響』は、にっこりと微笑んだ。
「今度こそ、『アメノミコト』の暗殺者として、役目を果たす為です」
有り得ない。
それは『玉響』じゃない。お前は『玉響』なんかじゃない。
そう言いたかったのに、俺は言葉が出なかった。
本当に『玉響』が生き返ってくれたら、という願望と。
そんなことは絶対に有り得ない、という冷静な判断が、頭の中でひしめいていた。
「『八千歳』先輩、今度こそ…僕と仲良くしてくださいね」
『玉響』は、鉄格子の隙間から僕に手を差し伸べた。
俺は、反射的に後ずさった。
「…あぁ、そうだ。それから…」
『玉響』の次の言葉に、俺は完全に打ちのめされた。
「…今度は、殺さないでくださいね」
「…それは…」
言い返せなかった。その通りだったからだ。
『アメノミコト』の暗殺者は、基本的に仲間意識がない。
同じ組織に所属する仲間でありながら、お互いの素性を何も知らないのだ。
任務を共にすることはあっても、話をするのは任務に関する話題ばかりで、不必要なことは一切喋らない。
互いにコードネームで呼び合い、本名も知らない。
だから、俺も…『玉響』のことは、何も知らなかった。
『玉響』というコードネーム以外、何も…。
「先輩。あなたは『玉響』を知らない。そんなあなたが、どうして僕を『玉響』じゃないと言い切れるんですか?」
「…」
「僕は『玉響』ですよ、『八千歳』先輩。時を経て、またあなたに会いに来たんです」
…あぁ、そう。
それはそれは…。
「…何の為に?」
「そんなの決まってるじゃないですか」
『玉響』は、にっこりと微笑んだ。
「今度こそ、『アメノミコト』の暗殺者として、役目を果たす為です」
有り得ない。
それは『玉響』じゃない。お前は『玉響』なんかじゃない。
そう言いたかったのに、俺は言葉が出なかった。
本当に『玉響』が生き返ってくれたら、という願望と。
そんなことは絶対に有り得ない、という冷静な判断が、頭の中でひしめいていた。
「『八千歳』先輩、今度こそ…僕と仲良くしてくださいね」
『玉響』は、鉄格子の隙間から僕に手を差し伸べた。
俺は、反射的に後ずさった。
「…あぁ、そうだ。それから…」
『玉響』の次の言葉に、俺は完全に打ちのめされた。
「…今度は、殺さないでくださいね」


