覚えているだろうか。『玉響』のことを。
俺は覚えている。いつだって、一秒だって忘れたことはない。
かつて、俺が『アメノミコト』に所属していた時。
俺と一緒に、学院長シルナ・エインリーを暗殺する為に派遣されてきた…。
俺と同じく『終日組』の暗殺者だった…『玉響』。
本名は知らない。聞かないままに…『玉響』は死んでしまった。
俺が殺したのだ。
今思い出しても、悔しくて、口惜しくて、自分で自分をぶん殴りたくなる。
あの時の俺は、鬼頭夜陰の操り人形だった。
暗殺者としての誇り…なんていう、下らないものを本気で、盲信していた。
そのせいで…俺は、『玉響』をこの手にかけてしまった。
俺の人生で最も後悔していることがあるとすれば、これだ。
『玉響』は学院長せんせーに心を許し、自分の罪を受け入れ、ルーデュニア聖王国に寝返ろうとしていた。
俺はそれを許さず、『玉響』の命を奪ってしまったのだ。
俺の愚かさ故に、彼は死んでしまった。
彼の亡骸は今も、イーニシュフェルト魔導学院の地に埋められている。
俺は確かにあの時、『玉響』を殺した。それは間違いない。
『八千代』も、あの場にいた学院長せんせー達も、確かに見ていた。
それなのに。
今、俺の目の前にいるこの男は。
俺が殺したはずの、『玉響』とまったく同じ顔をしていた。
黒いフードで顔を隠していたのは、これが理由か。
この『偽玉響』は、『八千代』にも会ったのだろうか。
『八千代』は果たして、この『玉響』が偽者であることに気づいているだろうか?
「…ふざけないでよ」
俺は、あんたのことなんて知らないね。
「あんたと同じ顔の人間は知ってる。でも、その人はもうあの世に行った」
「あなたが殺したから、ですか?」
…いちいち、癪に障る言い方をする。
「…そう。俺が殺したから」
認めるよ。
認めたくなくても、紛れもない事実だからね。
俺が『玉響』を殺した。この手で、確かに。
だから、今目の前にいる『玉響』は、間違いなく偽者だ。
死者は生き返ったりしない。
「だから、あんたは偽者だ」
「僕は偽者なんかじゃありませんよ」
「…嘘つかないでくれるかなー」
さすがに腹が立ってきたんだけど?
どうせ、これも鬼頭夜陰の策略なんだろう。
「おおかた、幻覚魔法でも使ってる?それとも整形手術かな」
「…」
本物の『玉響』は、とっくに土の下だけど。
もし『玉響』の写真一つでも残っていれば、どうとでも再現可能だ。
「『玉響』と同じ顔、同じ声をしていれば、俺と『八千代』が動揺すると思った?」
そうだとしたら、それは大正解だよ。
確かに動揺した。最初見た時は…心臓が飛び出るかと思ったよ。
…もう二度と会うことはない、そんなことは出来ないと思ってたから。
一瞬、『玉響』が蘇ったのかと思ってしまったほどだ。
だけど、そんなことは有り得ない。
「どんなに姿形を似せていても、それは偽者だ。紛い物だ。君は『玉響』じゃない」
「…」
「残念だったね。そんな卑怯な真似をしても、俺の心はもう揺らがないよ」
確かに動揺はしたけれど、それは僅かな時間だけ。
今はもう冷静だ。
目の前の『玉響』が、偽者であることを知っているのだから。
…しかし。
「僕が『玉響』じゃないなんて、どうして分かるんですか?」
…は?
俺は覚えている。いつだって、一秒だって忘れたことはない。
かつて、俺が『アメノミコト』に所属していた時。
俺と一緒に、学院長シルナ・エインリーを暗殺する為に派遣されてきた…。
俺と同じく『終日組』の暗殺者だった…『玉響』。
本名は知らない。聞かないままに…『玉響』は死んでしまった。
俺が殺したのだ。
今思い出しても、悔しくて、口惜しくて、自分で自分をぶん殴りたくなる。
あの時の俺は、鬼頭夜陰の操り人形だった。
暗殺者としての誇り…なんていう、下らないものを本気で、盲信していた。
そのせいで…俺は、『玉響』をこの手にかけてしまった。
俺の人生で最も後悔していることがあるとすれば、これだ。
『玉響』は学院長せんせーに心を許し、自分の罪を受け入れ、ルーデュニア聖王国に寝返ろうとしていた。
俺はそれを許さず、『玉響』の命を奪ってしまったのだ。
俺の愚かさ故に、彼は死んでしまった。
彼の亡骸は今も、イーニシュフェルト魔導学院の地に埋められている。
俺は確かにあの時、『玉響』を殺した。それは間違いない。
『八千代』も、あの場にいた学院長せんせー達も、確かに見ていた。
それなのに。
今、俺の目の前にいるこの男は。
俺が殺したはずの、『玉響』とまったく同じ顔をしていた。
黒いフードで顔を隠していたのは、これが理由か。
この『偽玉響』は、『八千代』にも会ったのだろうか。
『八千代』は果たして、この『玉響』が偽者であることに気づいているだろうか?
「…ふざけないでよ」
俺は、あんたのことなんて知らないね。
「あんたと同じ顔の人間は知ってる。でも、その人はもうあの世に行った」
「あなたが殺したから、ですか?」
…いちいち、癪に障る言い方をする。
「…そう。俺が殺したから」
認めるよ。
認めたくなくても、紛れもない事実だからね。
俺が『玉響』を殺した。この手で、確かに。
だから、今目の前にいる『玉響』は、間違いなく偽者だ。
死者は生き返ったりしない。
「だから、あんたは偽者だ」
「僕は偽者なんかじゃありませんよ」
「…嘘つかないでくれるかなー」
さすがに腹が立ってきたんだけど?
どうせ、これも鬼頭夜陰の策略なんだろう。
「おおかた、幻覚魔法でも使ってる?それとも整形手術かな」
「…」
本物の『玉響』は、とっくに土の下だけど。
もし『玉響』の写真一つでも残っていれば、どうとでも再現可能だ。
「『玉響』と同じ顔、同じ声をしていれば、俺と『八千代』が動揺すると思った?」
そうだとしたら、それは大正解だよ。
確かに動揺した。最初見た時は…心臓が飛び出るかと思ったよ。
…もう二度と会うことはない、そんなことは出来ないと思ってたから。
一瞬、『玉響』が蘇ったのかと思ってしまったほどだ。
だけど、そんなことは有り得ない。
「どんなに姿形を似せていても、それは偽者だ。紛い物だ。君は『玉響』じゃない」
「…」
「残念だったね。そんな卑怯な真似をしても、俺の心はもう揺らがないよ」
確かに動揺はしたけれど、それは僅かな時間だけ。
今はもう冷静だ。
目の前の『玉響』が、偽者であることを知っているのだから。
…しかし。
「僕が『玉響』じゃないなんて、どうして分かるんですか?」
…は?


