神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

さすが、暗殺者組織の拷問官なだけあって。

この人の拷問の技術は、それはそれは高いものですよ。

この地下拷問室に連れてこられて、果たして既に何日経ったのか。

明けても暮れても拷問、拷問、拷問で、時間の感覚なんてとっくに消え失せてしまった。

拷問にはほとんどお休みがなく、拷問官が入れ替わり立ち替わり、この地下室に入ってきて。

昼も夜も、昼夜問わず拷問が行われた。

こうやって時間の感覚を失わせるのも、拷問の一環なのだろう。

ちょっとでも眠ろうものなら、頭から氷水をぶち撒けられたり。

あるいは、頭や腹に強烈な一撃を食らって、無理矢理起こされる。

素敵なモーニングコールですよねぇ。

僕は正直、これ以上は遠慮したいですけどね…。

果たして、この拷問はいつまで続くのやら。

酷いことするんですよ?この人達。

暗殺組織の拷問って、本当に過酷なんです。

お陰で僕、もう身体ボロボロですよ。

まぁ死なないから良いんですけど。

両手足の爪は全部剥ぎ取られ、代わりと言わんばかりに、爪のあった場所に釘を刺され。

全身を鞭で打擲され、身体中、醜く身体が裂けている。

更に、その傷口に塩を塗り込まれた挙げ句。

目玉をくり抜かれ、耳を千切られ、鼻をへし折られ。

それでも屈しない僕の身体を宙吊りにして、その真下で火を焚いて、じわじわと炙られた。

ケバブになった気分ですね。

その次は、火で駄目なら水とばかりに、今度は水拷問。

大きなやかんいっぱいの水を飲まされ、それを吐かされ、また飲まされ…の繰り返し。

水風船じゃないんですから。

水でも駄目なら今度は氷とばかりに、冷凍庫みたいなところに閉じ込められた。

いやぁ、あの時は、身体に氷の膜が張ってましたね。

実に寒い体験でした。

僕は不死身だから、どんなことをされても死にませんが。

これ、普通の人間だったら、五、六回は死んでますよ。

僕が不死身だからって、この拷問官、容赦なさ過ぎでは。

で、そんな感じで毎日拷問、拷問、拷問の日々。

未だに、僕は屈していなかった。





…それどころか。

「…ナジュ君。大丈夫?」

眠りの中、精神世界にて、心配そうな顔をしたリリスにそう聞かれた時も。

「あ、はい。平気ですよ」

けろっ、とそう答えることが出来るくらいには、余裕を保っていた。