俺は、目の前のシルナをまじまじと見つめた。
「丁度良かった、羽久。今、朝ご飯のデザートに、生チョコどら焼きを食べてたところなんだー」
と言って。
軽快な足取りで、生チョコどら焼き、とやらを一つ手に取り。
「はいっ、羽久もどーぞ。凄く美味しいんだよ、これ!」
超良い笑顔で、俺にどら焼きを勧めてきた。
…つーか、朝ご飯のデザートに生チョコどら焼きって。
朝食のデザートにしては、あまりにも重過ぎる。
しかし、シルナはそんなことはまったく気にしていないようで。
「飲み物淹れるね!ホットチョコレートで良いよね?」
「え、いや」
「じゃあ用意してくるね〜」
「…」
…行っちゃった。
軽やかな足取りで。
生チョコどら焼きを食べながら…ホットチョコレートを飲むのか。
重い。想像しただけで胃が重い。
いや、それよりも。
俺は、一歩踏み出す度に身体中が軋み、壊れかけたロボットみたいな歩き方になっているというのに。
シルナの足取りと来たら、普段とまったく変わらない。
…あいつ、なんであんなに元気なんだ?
筋肉痛は…?
まさか、運動不足は俺だけだというのか。
呆然としながら、しばらく待っていると。
「羽久〜。お待たせー」
大きなマグカップに、並々とホットチョコレートを入れて。
シルナが戻ってきた。
「シルナ…お前、なんで…」
「あれっ?羽久、何でまだそんなところに立ってるの?ほらほら、ソファに座って」
「…」
俺だってそうしたいけど、そこのソファまで歩いていって座ることさえ。
今の俺には、簡単なことではないんだよ。
「あ、そうだ。そういてば、さっきイレースちゃんも来てくれてね」
と、シルナ。
あぁ…。階段で俺を無情に追い抜いていったイレースな。
「イレースちゃんにもどら焼きを勧めたのに、食べてくれなかったんだよ」
「まぁ…イレースはそうだろうな…」
「それからイレースちゃん、私を見て、『あなたは無事なんですね』とか言ってたんだけど…」
「…」
「あれって、どういう意味だったのかな」
イレース、お前も気づいたか。
シルナが予想以上に元気だったことに。
「ま、良いか。それよりどら焼き!羽久、早く座って」
「うっ…」
俺だってそうしたいんだよ。
だけど、そんなに簡単なことじゃないって言うか…。
…くそ。覚悟を決めるしかない。
「…うぐっ…」
ほんのちょっと身体を動かすだけで、みっともない呻き声が。
右手と右足が同時に前に出る、みたいな奇怪な動きで、何とかソファまで歩き。
ゆっくりとソファに腰掛けようとしたのだが、少し膝と腰を動かすだけで、身体が悲鳴を上げる。
「あでっ…!」
思わず身体から力が抜けて、まるで尻もちをつくみたいに、ドサッ、と勢い良くソファに腰掛けてしまった。
たったこれだけのことなのに、涙が出そうなほど痛い。
でも、何とか座ったぞ。
座ったけど、ダメージがデカい。
痛みよりも、情けなさで泣きそうだった。
「丁度良かった、羽久。今、朝ご飯のデザートに、生チョコどら焼きを食べてたところなんだー」
と言って。
軽快な足取りで、生チョコどら焼き、とやらを一つ手に取り。
「はいっ、羽久もどーぞ。凄く美味しいんだよ、これ!」
超良い笑顔で、俺にどら焼きを勧めてきた。
…つーか、朝ご飯のデザートに生チョコどら焼きって。
朝食のデザートにしては、あまりにも重過ぎる。
しかし、シルナはそんなことはまったく気にしていないようで。
「飲み物淹れるね!ホットチョコレートで良いよね?」
「え、いや」
「じゃあ用意してくるね〜」
「…」
…行っちゃった。
軽やかな足取りで。
生チョコどら焼きを食べながら…ホットチョコレートを飲むのか。
重い。想像しただけで胃が重い。
いや、それよりも。
俺は、一歩踏み出す度に身体中が軋み、壊れかけたロボットみたいな歩き方になっているというのに。
シルナの足取りと来たら、普段とまったく変わらない。
…あいつ、なんであんなに元気なんだ?
筋肉痛は…?
まさか、運動不足は俺だけだというのか。
呆然としながら、しばらく待っていると。
「羽久〜。お待たせー」
大きなマグカップに、並々とホットチョコレートを入れて。
シルナが戻ってきた。
「シルナ…お前、なんで…」
「あれっ?羽久、何でまだそんなところに立ってるの?ほらほら、ソファに座って」
「…」
俺だってそうしたいけど、そこのソファまで歩いていって座ることさえ。
今の俺には、簡単なことではないんだよ。
「あ、そうだ。そういてば、さっきイレースちゃんも来てくれてね」
と、シルナ。
あぁ…。階段で俺を無情に追い抜いていったイレースな。
「イレースちゃんにもどら焼きを勧めたのに、食べてくれなかったんだよ」
「まぁ…イレースはそうだろうな…」
「それからイレースちゃん、私を見て、『あなたは無事なんですね』とか言ってたんだけど…」
「…」
「あれって、どういう意味だったのかな」
イレース、お前も気づいたか。
シルナが予想以上に元気だったことに。
「ま、良いか。それよりどら焼き!羽久、早く座って」
「うっ…」
俺だってそうしたいんだよ。
だけど、そんなに簡単なことじゃないって言うか…。
…くそ。覚悟を決めるしかない。
「…うぐっ…」
ほんのちょっと身体を動かすだけで、みっともない呻き声が。
右手と右足が同時に前に出る、みたいな奇怪な動きで、何とかソファまで歩き。
ゆっくりとソファに腰掛けようとしたのだが、少し膝と腰を動かすだけで、身体が悲鳴を上げる。
「あでっ…!」
思わず身体から力が抜けて、まるで尻もちをつくみたいに、ドサッ、と勢い良くソファに腰掛けてしまった。
たったこれだけのことなのに、涙が出そうなほど痛い。
でも、何とか座ったぞ。
座ったけど、ダメージがデカい。
痛みよりも、情けなさで泣きそうだった。


