神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

…ツキナと一緒に、大根を収穫した翌日。

この日は日曜日で、授業はお休みなのだが。

案の定、恐れていたことが起きた。

「い…っ!」

ベッドから起き上がるなり、全身に筋肉痛が。

…日頃の運動不足が祟ったな。

のろのろとベッドから起き上がり、そーっと立ち上がる。

節々が痛い。とはこのこと。

凄いな、園芸部の面々は…。ほぼ毎日のように、あんな大変な農作業をしてるんだろ?

自らに苦役を課しているようにしか思えない。

何とか、着替えて部屋を出たけれど。

なんか…こう、歩き方がロボットみたいになってる気がする。

学院長室に向かうのに、いつもの3倍くらい時間がかかってる気がする。

「いててて…」

歩く度に、つい痛みを口にしてしまう。

太腿、腹筋、腰、膝、肘、肩。全てが痛む。

真っ直ぐな廊下ならともかく、階段が地獄。

手すりを掴んで、恐る恐る、一歩ずつ踏み締めるようにして階段を上っていると。

カツカツカツと、階段を早足で駆け上がる足音が近づいてきた。

「…何、挙動不審な歩き方をしてるんです」

「おぉ…イレース…おはよう」

「おはようございます」

同じく、階段を上ってきたイレースと鉢合わせ。

「さっさと歩きなさい。時間は有限です」

「そ、それは分かってるんだけど…」

イレースはいつだって早足移動だもんな。常に競歩してるような感じ。

「実は昨日…」

俺はイレースに、昨日俺とシルナで、園芸部の大根の収穫の手伝いをしたことを説明した。

そのせいで、朝起きたら、身体中筋肉痛が酷いのだと…。

イレースは、顔をしかめながら聞いていた。

「…ってな訳で、学院長室に行くだけでもこの有り様だよ…」

「ふん。自分の運動不足の結果なのだから、自業自得です」

…だよなぁ。

イレースならそう言うと思った。

「私は先に行きますよ」

イレースは軽やかな足取りで、さっさと階段を上り。

先に、学院長室に歩いていった。

あぁ…置いていかれた。

「いてててて…」

いつもの3倍の時間をかけて、遅れ馳せながら、ようやく学院長室に到着。

俺でさえ筋肉痛に苦しんでるんだから、シルナもさぞかし…と、思っていたが。

「シルナ…。入るぞ…」

「あっ、羽久。おはよー!」

「…」

俺を迎えたシルナは、めっちゃ元気そうだった。

…なんだと?