そんな感じで、立て続けに三本くらい、大根抜きをしていたのだが。
「…なんか違う」
ツキナが、突然手を止めた。
「な、何だ?」
「掛け声…掛け声が足りない」
か、掛け声?
「いつもすぐり君達と一緒に収穫する時は、よっこいしょー、って言うんです」
と、ツキナが説明してくれた。
よっこいしょ…?
「…別に…言えば…?」
どうぞ、お好きに…。
まぁ、あんまり野菜を収穫しながら、よっこいしょーは言わないかもしれないけど。
掛け声は自由なのでは?
ここ、ツキナの畑なんだし。
しかし、ツキナが言ってるのはそういうことではなかった。
「私がよっこいしょーって言ったら、すぐり君と令月君も、続いてよっこいしょー、って言いながら収穫するんです」
えっ。
…いつもお前ら、そんなことしてたの?
収穫って、そんな騒がしくやるものだっけ?
「そ、それ…やらないと駄目なのか?」
「はい!」
…駄目らしい。
「じゃあ行きますよ!…よっこいしょー!」
と言いながら、大根を抜くツキナ。
よ、よく分からないけど…よっこいしょ、って言えば良いのか?
「よ…よっこいしょ」
「声が小さい!」
怒られた。
教師なのに。
「よ…よっこいしょー!」
これ、結構恥ずかしいんだけど?
「ほら、学院長先生も!」
「えっ、わ、私も?えぇっと…よっこいしょー…」
「もっとお腹から声を出して!」
「えぇっ。そ、そんな…。よ、よっこいしょーっ!」
ツキナ、勘弁してやれ。そいつは老体だ。
「はい、次ー!どっこいしょー!」
掛け声をあげながら、勢い良く大根を抜くツキナ。
こ、これも言わなきゃいけないのか?
「ど…どっこいしょー!」
俺は、ツキナに続いて大声を上げた。
シルナも、必死に。
「ど、どっこいしょっ!」
頑張って声を出していた。上擦ってるけど。
しかし、ツキナは容赦ない。
「まだまだ!ほっこいしょー!」
ほっこいしょ!?
「ほ!?ほ…ほっこいしょっー!」
「ほっこいしょっ…!」
「お腹から出してー!やっこいしょー!」
やっこいしょ!?
「や…やっこいしょ…?」
「やっこいしょーっ!」
シルナの声が、そろそろ枯れ始めた。
カラオケで真っ先に潰れるタイプ。
「そーれ、なっこいしょー!」
なっこいしょ!?
「な…な、なっこいしょ…」
「なっこい…しょーっ…!」
「まだ行くよー!まっこいしょー!」
まっこいしょ!?
…段々めちゃくちゃになってきた。
こんな調子で俺達は、校舎裏の畑で、奇声をあげながら。
ひたすら、心を無にして大根の収穫に精を出したのであった。
「…なんか違う」
ツキナが、突然手を止めた。
「な、何だ?」
「掛け声…掛け声が足りない」
か、掛け声?
「いつもすぐり君達と一緒に収穫する時は、よっこいしょー、って言うんです」
と、ツキナが説明してくれた。
よっこいしょ…?
「…別に…言えば…?」
どうぞ、お好きに…。
まぁ、あんまり野菜を収穫しながら、よっこいしょーは言わないかもしれないけど。
掛け声は自由なのでは?
ここ、ツキナの畑なんだし。
しかし、ツキナが言ってるのはそういうことではなかった。
「私がよっこいしょーって言ったら、すぐり君と令月君も、続いてよっこいしょー、って言いながら収穫するんです」
えっ。
…いつもお前ら、そんなことしてたの?
収穫って、そんな騒がしくやるものだっけ?
「そ、それ…やらないと駄目なのか?」
「はい!」
…駄目らしい。
「じゃあ行きますよ!…よっこいしょー!」
と言いながら、大根を抜くツキナ。
よ、よく分からないけど…よっこいしょ、って言えば良いのか?
「よ…よっこいしょ」
「声が小さい!」
怒られた。
教師なのに。
「よ…よっこいしょー!」
これ、結構恥ずかしいんだけど?
「ほら、学院長先生も!」
「えっ、わ、私も?えぇっと…よっこいしょー…」
「もっとお腹から声を出して!」
「えぇっ。そ、そんな…。よ、よっこいしょーっ!」
ツキナ、勘弁してやれ。そいつは老体だ。
「はい、次ー!どっこいしょー!」
掛け声をあげながら、勢い良く大根を抜くツキナ。
こ、これも言わなきゃいけないのか?
「ど…どっこいしょー!」
俺は、ツキナに続いて大声を上げた。
シルナも、必死に。
「ど、どっこいしょっ!」
頑張って声を出していた。上擦ってるけど。
しかし、ツキナは容赦ない。
「まだまだ!ほっこいしょー!」
ほっこいしょ!?
「ほ!?ほ…ほっこいしょっー!」
「ほっこいしょっ…!」
「お腹から出してー!やっこいしょー!」
やっこいしょ!?
「や…やっこいしょ…?」
「やっこいしょーっ!」
シルナの声が、そろそろ枯れ始めた。
カラオケで真っ先に潰れるタイプ。
「そーれ、なっこいしょー!」
なっこいしょ!?
「な…な、なっこいしょ…」
「なっこい…しょーっ…!」
「まだ行くよー!まっこいしょー!」
まっこいしょ!?
…段々めちゃくちゃになってきた。
こんな調子で俺達は、校舎裏の畑で、奇声をあげながら。
ひたすら、心を無にして大根の収穫に精を出したのであった。


