さて、チョコマドレーヌのお陰で、落ち着いてくれたのは良かったが…。
「ね、美味しいでしょう?食べたら元気が出るでしょう?さすがチョコの力!誰でもチョコを食べれば、元気がでっ、いたっ!」
俺はもう一度、シルナのつま先を踏みつけてやった。
今それどころじゃねぇだろ。
「うぅぅ…。私のつま先が〜…」
「良いから。それよりツキナの話を聞くのが先だろ」
「はっ!そうだったね」
ようやく我に返るシルナ。
「ツキナちゃん。一体どうしたの?さっき、なんで泣いてたの?」
「…それは…だって…」
「私で良ければ、いつでも、何でも力になるから!教えてくれる?」
「…」
ツキナは、悲しげな表情で俯き。
そして。
「…大根が…」
と、呟いた。
やっぱり大根なんだ。
「大根が…いっぱい出来て、収穫する時期なのに…」
「へっ?だ、大根…?」
「一緒に収穫してくれる人が、誰もいないんです」
ツキナは涙目で、そう訴えた。
…えぇっと…。
「すぐり君も、令月君もいないし…。それに、ナジュ先生も…」
「…」
「折角みんなで育てたのに。折角大きな大根がいっぱい出来たのに。私…一人で収穫しなきゃいけなくて…」
「…」
「みんなで食べる約束、してたのに…。私一人じゃ、全部食べられないよ…」
「…そうか…」
…それは悲しいな。
ツキナが泣いてた理由、ようやく分かった。
そりゃ「大根」を連呼しながら泣き喚く訳だよ。
令月、すぐり、見てるか?
お前らがいないせいで、こんなに泣いてる子がいるんだぞ。
一緒に大根を収穫して、一緒に食べようと約束していた子が。
「帰ってくるまで待とうと思ってたけど、でも、このままじゃ…帰ってくる前に、大根が駄目になっちゃう…」
「…そうだな…」
「学院長先生、羽久先生、私、どうしたら良いですか…?」
「…」
今すぐ、令月とすぐりを…そしてなナジュを、ジャマ王国に取り返しに行きたかった。
間違いなく、それが一番良い方法だ。
…だけど…。…事態は、そんなに簡単ではない。
ツキナに…何とか元気を出してもらう為には…。
…よし。
「シルナ、俺達が…」
「それじゃツキナちゃん、私と羽久が手伝ってあげるよ!」
俺が提案しようとしていたのと、同じことをシルナも考えていたようだ。
「えっ…?」
「大根の収穫だね!任せて!私が手伝うから。ねっ、羽久」
「あぁ」
俺も、そのつもりだった。
俺とシルナじゃ、令月達の代わりにはならない。それは分かっている。
だけど、今、ツキナの悲しみを少しでも慰める為には…こうするしかなかった。
その為に骨を折るなら、それは苦労でも何でもない。
「本当ですか…?ありがとうございます!」
さっきまでベソをかいていたツキナの顔に、ようやく笑顔が広がった。
よし。
「じゃあ、早速畑に来てください!」
い、今すぐか?
いや、良い。善は急げだ。
「よし、シルナ。行くぞ」
「う、うん」
にわか園芸部員の誕生である。
…この時俺は、ツキナ達の園芸部を舐めていたのかもしれない。
「ね、美味しいでしょう?食べたら元気が出るでしょう?さすがチョコの力!誰でもチョコを食べれば、元気がでっ、いたっ!」
俺はもう一度、シルナのつま先を踏みつけてやった。
今それどころじゃねぇだろ。
「うぅぅ…。私のつま先が〜…」
「良いから。それよりツキナの話を聞くのが先だろ」
「はっ!そうだったね」
ようやく我に返るシルナ。
「ツキナちゃん。一体どうしたの?さっき、なんで泣いてたの?」
「…それは…だって…」
「私で良ければ、いつでも、何でも力になるから!教えてくれる?」
「…」
ツキナは、悲しげな表情で俯き。
そして。
「…大根が…」
と、呟いた。
やっぱり大根なんだ。
「大根が…いっぱい出来て、収穫する時期なのに…」
「へっ?だ、大根…?」
「一緒に収穫してくれる人が、誰もいないんです」
ツキナは涙目で、そう訴えた。
…えぇっと…。
「すぐり君も、令月君もいないし…。それに、ナジュ先生も…」
「…」
「折角みんなで育てたのに。折角大きな大根がいっぱい出来たのに。私…一人で収穫しなきゃいけなくて…」
「…」
「みんなで食べる約束、してたのに…。私一人じゃ、全部食べられないよ…」
「…そうか…」
…それは悲しいな。
ツキナが泣いてた理由、ようやく分かった。
そりゃ「大根」を連呼しながら泣き喚く訳だよ。
令月、すぐり、見てるか?
お前らがいないせいで、こんなに泣いてる子がいるんだぞ。
一緒に大根を収穫して、一緒に食べようと約束していた子が。
「帰ってくるまで待とうと思ってたけど、でも、このままじゃ…帰ってくる前に、大根が駄目になっちゃう…」
「…そうだな…」
「学院長先生、羽久先生、私、どうしたら良いですか…?」
「…」
今すぐ、令月とすぐりを…そしてなナジュを、ジャマ王国に取り返しに行きたかった。
間違いなく、それが一番良い方法だ。
…だけど…。…事態は、そんなに簡単ではない。
ツキナに…何とか元気を出してもらう為には…。
…よし。
「シルナ、俺達が…」
「それじゃツキナちゃん、私と羽久が手伝ってあげるよ!」
俺が提案しようとしていたのと、同じことをシルナも考えていたようだ。
「えっ…?」
「大根の収穫だね!任せて!私が手伝うから。ねっ、羽久」
「あぁ」
俺も、そのつもりだった。
俺とシルナじゃ、令月達の代わりにはならない。それは分かっている。
だけど、今、ツキナの悲しみを少しでも慰める為には…こうするしかなかった。
その為に骨を折るなら、それは苦労でも何でもない。
「本当ですか…?ありがとうございます!」
さっきまでベソをかいていたツキナの顔に、ようやく笑顔が広がった。
よし。
「じゃあ、早速畑に来てください!」
い、今すぐか?
いや、良い。善は急げだ。
「よし、シルナ。行くぞ」
「う、うん」
にわか園芸部員の誕生である。
…この時俺は、ツキナ達の園芸部を舐めていたのかもしれない。


