――――――…こちらは、ルーデュニア聖王国イーニシュフェルト魔導学院。

令月、すぐり、そしてナジュの3人がいなくなった、この学院で。

さすがに、俺もここしばらく、元気がなかった。

一応、ちゃんと授業はやってたけど。

自分でも、精彩を欠いているのが自覚出来た。

俺でさえそうなんだから、目の前でナジュを連れ去られた天音は、言うまでもなかった。

幸い、例の麻痺毒はすぐに身体から抜けて、傷も翌日には良くなった。

だけど、天音の意気消沈ぶりは、まるで人が変わったかのよう。

それを見た生徒達が心配して、保健室に行って天音を励ましたり慰めたりしてたとか。何とか。

あっぱれ、イレースだけは、普段とまったく変わりない様子だった。

…で、シルナはというと。

シルナもシルナで、しばらくは落ち込んでいたんだけど…。






「…いつまでもこんなことじゃ駄目だ!」

「はっ?」

さっきまで、ぼーっと頬杖ついて、麦チョコを摘んでいたシルナが。

突然、机をバンと叩いて立ち上がった。

…めちゃくちゃびっくりしたんだけど。いきなりデカい声出すなよ。

心臓に悪いだろ。