神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

イーニシュフェルト魔導学院で、夜、みんなが寝静まった後に毎晩。

『八千代』と一緒に、ランタンを持って校内の見回りをしていたものだが。

あの時も、今と同じ黒装束を身に着けていた。

俺達にとっては、着慣れた服だから。

…でも、学院のパトロールをしていた時と今では、まるで服の重みが違う。…気がする。

着替える時ものろのろと、こんなものは着たくないとでも言うような、気のない挙動だった。

自分でも、何故こうなるのか分からない。

いつもと同じ服じゃないか。

いつもと同じ仕事をするだけじゃないか。

ルーデュニア聖王国に行くまでは、毎日そうしていたじゃないか…。

…それなのに。

頭の中に、羽久せんせーやナジュせんせーがや、それにツキナの顔がちらつく。

もう思い出さない方が良い。

今、彼らのことを思い出せば…仕事に差し支える。

分かっているはずなのに…。



何だか、頭の中がふわふわしたような状態で。

俺は、ようやく指定された住所に辿り着いた。

そこは、寂れた小さなアパートだった。