神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

――――――…その頃俺は、『八千代』が『アメノミコト』に復帰後、初めての任務に出ていることも。

それどころか、『八千代』が『アメノミコト』に戻っていることさえ知らなかった。

当然、ナジュせんせーまでもが『アメノミコト』の地下拷問室にいるなんて、思ってもみなかった。

自分以外は今でも、イーニシュフェルト魔導学院で、平穏に過ごしてるはずだ、と思っていたから。

…だけど、ツキナのことは気になった。

ツキナは…突然いなくなった俺のことをどう思っているだろう。

…悲しんでたりはしてないよね。もちろん。

忘れて欲しかった。俺のことなんて。

最初から居なかった者として、記憶から完全に消して欲しかった。

覚えてなくて良いんだ。

こんな…薄汚い、暗殺者のことなんて。

誰の記憶からも消えて、誰からも忘れられて。

いつか、誰にも看取られず、一人、静かに死んでいく。

それが、自分に相応しい最期。

再び『アメノミコト』に戻ってきて、俺は強くそう思ったのだ。


…そして。

『アメノミコト』に復帰後、俺はまず真っ先に、とある部屋に連れて行かれた。

『アメノミコト』頭領、鬼頭夜陰の部屋だった。