―――――…不死身先生が、『アメノミコト』の地下拷問室に連れ込まれ。

そこで、苛烈な拷問を受けていることを、僕は知らなかった。

知らされるはずもなかった。

僕が大人しく『アメノミコト』に戻ることで、すべては丸く収まった、と。

不死身先生も、それに…『八千歳』も。

今頃イーニシュフェルト魔導学院で、いつも通りの、変わらない日常を続けている…。そう思っていた。

羨ましい、とは思わなかった。妬ましい、とも。

むしろ、良かった、としか思っていなかった。

『八千歳』だけでも、ルーデュニア聖王国で、普通に、幸せに暮らしていてくれるなら。

僕のこの手がどんなに汚れても、どんなに傷ついても、苦しいことなんてまったくなかった。

その思いで。

僕は組織に…『アメノミコト』に命じられるままに、再び、暗殺者『八千代』として生きることを選んだ。