神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

『アメノミコト』の皆さんが、いかに諦めが悪く、物分かりが悪いか。

僕も、これまでの経験でよーく分かってますからね。

「お断りします」「ではお帰りください」で、聞き分けよく帰してくれるとは…僕も思ってませんよ。

「あなたは『アメノミコト』で利用させてもらう。あなたのことも、あなたの読心魔法も」

「お断りします…。…って言っても、聞いてくれそうにないですね」

「はい。…我々の拷問を受けても、同じことが言えますか?」

先程までとはまったく違う、別人のように冷たく、鋭い口調。

強い、本物の殺気を向けられているのが分かった。

さすが暗殺者。迫力がありますね。

これが普通の一般人だったら、この殺気だけで失神してるでしょうが。

残念ながら、そういうのは僕には通用しません。

「やってみると良いですよ。好きなだけ」

たかが拷問くらいで、僕の心を折れると思ったら大きな間違いだ。

不死身であるということ。それ故に、今生で最愛の人に会えないということ。

この二つ以外に、僕の心を折れるものは存在しない。

殺したければ、何度でも殺せば良い。

僕が拷問に屈するのが先か。

それとも、いつまでも屈しない僕に、拷問者の方が音を上げるのが先か。

勝負と行こうじゃありませんか。

…ざっ、と。

いつの間にか、複数の人間の足音が聞こえてきた。

部屋の中に、何人もの人間が僕を取り囲んでいるのが分かった。

拷問の用意は完璧、ってところですか。

「やれ」

先程まで丁寧に話していた彼が、冷たくそう指示をした。