そりゃまぁ、出来るだけ手荒な真似はされたくない、という本音はありますけどね。
僕が大人しく連れてこられることで、代わりに天音さんを守れたのだから。
僕にとっては、これ以上大切なことはない。
この後どんな目に遭っても、後悔したりはしませんよ。
という、僕の意見を聞いて。目の前の暗殺者の青年は。
「…あなた達は、本当に…」
「はい?」
「…いえ、何でもありません」
…何ですか。はっきり言ってくれれば良いのに。
あぁ。心が読めないって不便ですね。
だって、相手が何考えてるか分からないんですよ?
目が見えないことより、心の中が聞こえないことの方が、よっぽど不安で心細かった。
「あなたを、ここに連れてきた理由ですが」
「お、説明してくれる気になりました?」
「あなたの読心魔法を利用させて欲しいからです」
「…」
意外とストレートな要求で、ちょっとびっくりしましたね。
頭ごなしに、「読心魔法を使え!」と命令するのではなく。
「あなたの読心魔法を使わせて欲しい」と、ちょっと下手(したて)に出る辺りに、好感を感じます。
「もーしょうがないなぁ」って、聞いてあげたくなりますよ。
「つまり、心を読んで欲しい相手がいるってことですか」
「そうです。あなたの読心魔法の強さは、我々もよく知るところ」
ですよね。以前戦ったことありますし。
僕の読心魔法で痛い目を見て、充分反省したと見える。ふふふ。
「だから、あなたの力を使わせて欲しいんです」
「成程…」
つまり、引き抜きですか。
イーニシュフェルト魔導学院で教師なんてするのはやめて、『アメノミコト』で働かないか?みたいな。
いやぁ。他企業に引き抜きされるなんて、何だか恥ずかしいですね。
「あなたの待遇については保証します」
とのこと。
聞きました?
多分、今より良い給料で、お休みもいっぱいあって。
三度の食事、住まいを保証され、しかも昼寝、おやつ付き。
未経験者歓迎。明るくて、アットホームな職場です。…ってね。
…何の冗談ですかね?
「お断りします」
僕は笑顔でそう答えた。
「考えてもらえませんか?」
「お断りします」
考える余地なんて、一片も、どころか1ミリもない。
冗談じゃありませんよ。
何千何億もらったって、毎日が有給休暇だとしても、ジャマ王国に大豪邸をプレゼントされたとしても。
僕は、雇われのイーニシュフェルト魔導学院の教師であることを望みますよ。
「あなたは暗殺者ではない。だから、暗殺をする必要はありません。ただ、読心魔法を使ってもらえれば…」
「お断りしますって、何度言ったら分かるんですか?」
くどいですよ。
何度誘われても、何を対価に出されても、僕は譲らない。
理由なんて、説明するまでもないでしょう?
「…そうですか」
目の前の彼も、僕の答えを予想していたのだろう。
驚くことはなかった。ただ、淡々と頷いた。
「とても残念です」
「…じゃ、これで採用試験はおしまいということで。僕をルーデュニア聖王国に帰してくれますよね?」
ついでに、令月さんとすぐりさんも一緒に帰してもらえると。
とても、とても嬉しいんですけどね。
しかし。
「それは出来ません」
きっぱりと断られてしまった。
…まぁ、そうなりますよね。
僕が大人しく連れてこられることで、代わりに天音さんを守れたのだから。
僕にとっては、これ以上大切なことはない。
この後どんな目に遭っても、後悔したりはしませんよ。
という、僕の意見を聞いて。目の前の暗殺者の青年は。
「…あなた達は、本当に…」
「はい?」
「…いえ、何でもありません」
…何ですか。はっきり言ってくれれば良いのに。
あぁ。心が読めないって不便ですね。
だって、相手が何考えてるか分からないんですよ?
目が見えないことより、心の中が聞こえないことの方が、よっぽど不安で心細かった。
「あなたを、ここに連れてきた理由ですが」
「お、説明してくれる気になりました?」
「あなたの読心魔法を利用させて欲しいからです」
「…」
意外とストレートな要求で、ちょっとびっくりしましたね。
頭ごなしに、「読心魔法を使え!」と命令するのではなく。
「あなたの読心魔法を使わせて欲しい」と、ちょっと下手(したて)に出る辺りに、好感を感じます。
「もーしょうがないなぁ」って、聞いてあげたくなりますよ。
「つまり、心を読んで欲しい相手がいるってことですか」
「そうです。あなたの読心魔法の強さは、我々もよく知るところ」
ですよね。以前戦ったことありますし。
僕の読心魔法で痛い目を見て、充分反省したと見える。ふふふ。
「だから、あなたの力を使わせて欲しいんです」
「成程…」
つまり、引き抜きですか。
イーニシュフェルト魔導学院で教師なんてするのはやめて、『アメノミコト』で働かないか?みたいな。
いやぁ。他企業に引き抜きされるなんて、何だか恥ずかしいですね。
「あなたの待遇については保証します」
とのこと。
聞きました?
多分、今より良い給料で、お休みもいっぱいあって。
三度の食事、住まいを保証され、しかも昼寝、おやつ付き。
未経験者歓迎。明るくて、アットホームな職場です。…ってね。
…何の冗談ですかね?
「お断りします」
僕は笑顔でそう答えた。
「考えてもらえませんか?」
「お断りします」
考える余地なんて、一片も、どころか1ミリもない。
冗談じゃありませんよ。
何千何億もらったって、毎日が有給休暇だとしても、ジャマ王国に大豪邸をプレゼントされたとしても。
僕は、雇われのイーニシュフェルト魔導学院の教師であることを望みますよ。
「あなたは暗殺者ではない。だから、暗殺をする必要はありません。ただ、読心魔法を使ってもらえれば…」
「お断りしますって、何度言ったら分かるんですか?」
くどいですよ。
何度誘われても、何を対価に出されても、僕は譲らない。
理由なんて、説明するまでもないでしょう?
「…そうですか」
目の前の彼も、僕の答えを予想していたのだろう。
驚くことはなかった。ただ、淡々と頷いた。
「とても残念です」
「…じゃ、これで採用試験はおしまいということで。僕をルーデュニア聖王国に帰してくれますよね?」
ついでに、令月さんとすぐりさんも一緒に帰してもらえると。
とても、とても嬉しいんですけどね。
しかし。
「それは出来ません」
きっぱりと断られてしまった。
…まぁ、そうなりますよね。


