何だろう。
何だか…嫌な予感がする。
ナジュは天音と一緒に聖魔騎士団に行ったはずだ。それなのに…。
「あのね、遠くに行ったよ」
ベリクリーデが、そう言った。
え?
「もぐもぐ…チョコ美味しい」
いつの間にか、ベリクリーデはさっきシルナがイレースにあげようとした、ラズベリーの板チョコをもぐもぐしていた。
…何で食ってんの?
別に良いけど。シルナは、どうせ山程チョコ持ってるんだし。
それに、今シルナは天音に回復魔法をかけてるから、チョコ食べられてるのに全然気づいてない。
「ベリクリーデ…。お前な…」
ジュリスは眉をひそめたが、しかし。
「ジュリスもどーぞ」
「うぶっ。おま、勝手に口に入れんな」
ジュリスにも、チョコを食べさせてあげていた。
「それより、ベリクリーデ…。さっきお前、遠くに行ったよって…」
「チョコ甘いねー」
「話を聞けって。今言ったのどういう意味なんだ?」
「もぐもぐ。…んー?…分かんない」
…。
「何となく、そんな気がしただけ」
…あ、そう。
「ごめんな…。思わせぶりなこと言って。如何せんこいつ、直感だけで生きてるような奴だから…」
ジュリスが謝ってきた。
いや、ジュリスが悪いんじゃないから。
「いずれにしても、本人から話を聞くしかないでしょう」
イレースが、天音を見つめながら言った。
…そうだな。天音本人に聞いてみれば、何か分かるだろう。
「シルナ…。どうだ?天音は…」
「…ふぅ」
回復魔法をかけ終えたシルナが、杖を下ろした。
「身体の傷は…幸い、そんなに深くなかった…」
「そうなのか?」
随分としんどそうだったから、よっぽど深い傷を負っているのかと思った。
「うん。だけど…身体に毒が回ってる」
「毒…?」
「致死性のものじゃない。身体を麻痺させる為の毒だと思う」
身体を麻痺…。
そうか。それで…傷は深くないけど、身体が動かせなかったんだ。
「それは…もしかして、解毒出来ないのか?」
「いや、大丈夫。そんなに強い毒じゃないから、私の回復魔法で充分解毒出来るよ」
良かった。
それじゃ、無事に回復するんだな。
「ベッドに移動して、しばらくゆっくり休ませ…」
「が…く、いんちょう、せんせい…」
天音だった。
ソファに横たわった天音は目を開き、弱々しい声でシルナを呼んだ。
そしてあろうことか、天音はソファに手をつき、身体を起こそうとしているではないか。
「天音…!無理するな。まだ寝てて良いから…!」
「…だめ…。…じゅ、くん、が…」
「え?」
「だって…。ナジュ、君が…」
…ナジュ。
やっぱり天音は…ナジュのことを知って。
「僕が…僕のせいで、ナジュ君が…」
「ちょっと待て、天音。どういう意味だ…!?」
「ナジュ君が…。『アメノミコト』に…!」
「…」
ぽろぽろと、涙を流しながら。
天音は途切れ途切れの言葉で、何があったのかを教えてくれた。
何だか…嫌な予感がする。
ナジュは天音と一緒に聖魔騎士団に行ったはずだ。それなのに…。
「あのね、遠くに行ったよ」
ベリクリーデが、そう言った。
え?
「もぐもぐ…チョコ美味しい」
いつの間にか、ベリクリーデはさっきシルナがイレースにあげようとした、ラズベリーの板チョコをもぐもぐしていた。
…何で食ってんの?
別に良いけど。シルナは、どうせ山程チョコ持ってるんだし。
それに、今シルナは天音に回復魔法をかけてるから、チョコ食べられてるのに全然気づいてない。
「ベリクリーデ…。お前な…」
ジュリスは眉をひそめたが、しかし。
「ジュリスもどーぞ」
「うぶっ。おま、勝手に口に入れんな」
ジュリスにも、チョコを食べさせてあげていた。
「それより、ベリクリーデ…。さっきお前、遠くに行ったよって…」
「チョコ甘いねー」
「話を聞けって。今言ったのどういう意味なんだ?」
「もぐもぐ。…んー?…分かんない」
…。
「何となく、そんな気がしただけ」
…あ、そう。
「ごめんな…。思わせぶりなこと言って。如何せんこいつ、直感だけで生きてるような奴だから…」
ジュリスが謝ってきた。
いや、ジュリスが悪いんじゃないから。
「いずれにしても、本人から話を聞くしかないでしょう」
イレースが、天音を見つめながら言った。
…そうだな。天音本人に聞いてみれば、何か分かるだろう。
「シルナ…。どうだ?天音は…」
「…ふぅ」
回復魔法をかけ終えたシルナが、杖を下ろした。
「身体の傷は…幸い、そんなに深くなかった…」
「そうなのか?」
随分としんどそうだったから、よっぽど深い傷を負っているのかと思った。
「うん。だけど…身体に毒が回ってる」
「毒…?」
「致死性のものじゃない。身体を麻痺させる為の毒だと思う」
身体を麻痺…。
そうか。それで…傷は深くないけど、身体が動かせなかったんだ。
「それは…もしかして、解毒出来ないのか?」
「いや、大丈夫。そんなに強い毒じゃないから、私の回復魔法で充分解毒出来るよ」
良かった。
それじゃ、無事に回復するんだな。
「ベッドに移動して、しばらくゆっくり休ませ…」
「が…く、いんちょう、せんせい…」
天音だった。
ソファに横たわった天音は目を開き、弱々しい声でシルナを呼んだ。
そしてあろうことか、天音はソファに手をつき、身体を起こそうとしているではないか。
「天音…!無理するな。まだ寝てて良いから…!」
「…だめ…。…じゅ、くん、が…」
「え?」
「だって…。ナジュ、君が…」
…ナジュ。
やっぱり天音は…ナジュのことを知って。
「僕が…僕のせいで、ナジュ君が…」
「ちょっと待て、天音。どういう意味だ…!?」
「ナジュ君が…。『アメノミコト』に…!」
「…」
ぽろぽろと、涙を流しながら。
天音は途切れ途切れの言葉で、何があったのかを教えてくれた。


