――――――…ジュリスとベリクリーデが、血相を変えてイーニシュフェルト魔導学院に駆け込んでくる、数分前のこと。
「…天音とナジュ、遅いな」
「…遅いねぇ…」
俺とシルナは、そわそわしながら二人が戻ってくるのを待っていた。
聖魔騎士団のエリュティアのところに行って、探索魔法を使って、令月達の行方を探してもらっていたのだが。
そろそろ帰ってきても良い頃なのに、いっこうに戻ってこない。
外、もう暗くなってしまってるんだが。
…何かあったんだろうか。
それに…別の意味でも心配がある。
というのも。
さっきから、イライラしながら二人が戻るのを待っているイレースである。
「…何処で油を売ってるんですかね」
苛立ちを隠そうともしない、刺々しい口調である。
「ただでさえ、いかなる状況でも速やかに行動しなければならない時だというのに…」
「い…イレースちゃん…」
「…校門の鍵、閉めといてやりましょうかね」
締め出しかよ。
「そ、そんな…入れてあげてよ」
シルナが、必死にイレースに食い下がった。
勇気あるな、お前。
しかし、イレースはそんなシルナをじろりと睨んだ。
「教師たる者、下校時刻を守れなくてどうしますか」
そ、それはそうかもしれないけど。
今は非常事態なんだから、ちょっとくらい大目に見てやってくれよ。
一晩、校門の外で野宿する羽目になるじゃん。
気の毒過ぎる。
「お願いだから。ね?イレースちゃん。ほら、あの…あ、そうだ」
シルナは、引き出しから自分のチョコを取り出した。
「ほらっ、イレースちゃん。この板チョコあげるから」
「要りません」
一刀両断。
「えぇっ!これ、普通の板チョコじゃないんだよ。厳選されたカカオ豆だけで作った、ラズベリー味の…」
「要りません」
…シルナ。
誰もがお前のように、チョコ好きな訳じゃないからな。
「…天音とナジュ、遅いな」
「…遅いねぇ…」
俺とシルナは、そわそわしながら二人が戻ってくるのを待っていた。
聖魔騎士団のエリュティアのところに行って、探索魔法を使って、令月達の行方を探してもらっていたのだが。
そろそろ帰ってきても良い頃なのに、いっこうに戻ってこない。
外、もう暗くなってしまってるんだが。
…何かあったんだろうか。
それに…別の意味でも心配がある。
というのも。
さっきから、イライラしながら二人が戻るのを待っているイレースである。
「…何処で油を売ってるんですかね」
苛立ちを隠そうともしない、刺々しい口調である。
「ただでさえ、いかなる状況でも速やかに行動しなければならない時だというのに…」
「い…イレースちゃん…」
「…校門の鍵、閉めといてやりましょうかね」
締め出しかよ。
「そ、そんな…入れてあげてよ」
シルナが、必死にイレースに食い下がった。
勇気あるな、お前。
しかし、イレースはそんなシルナをじろりと睨んだ。
「教師たる者、下校時刻を守れなくてどうしますか」
そ、それはそうかもしれないけど。
今は非常事態なんだから、ちょっとくらい大目に見てやってくれよ。
一晩、校門の外で野宿する羽目になるじゃん。
気の毒過ぎる。
「お願いだから。ね?イレースちゃん。ほら、あの…あ、そうだ」
シルナは、引き出しから自分のチョコを取り出した。
「ほらっ、イレースちゃん。この板チョコあげるから」
「要りません」
一刀両断。
「えぇっ!これ、普通の板チョコじゃないんだよ。厳選されたカカオ豆だけで作った、ラズベリー味の…」
「要りません」
…シルナ。
誰もがお前のように、チョコ好きな訳じゃないからな。


