大通りに、妙な人だかりが出来ているのを見つけたのは。
ベリクリーデと一緒に、オムライスの店に向かっている途中だった。
「…何だ?」
なんか、妙にざわざわしてないか?
「ジュリス。あそこ、人がいっぱいいる」
「…そうだな…。…何だろうな?」
ああいうのは、下手に野次馬しない方が、
しかし。
「うーん…。…行ってみよーっと」
「あ、こら。野次馬はやめろって」
ベリクリーデが、勝手にちょこちょこと走り出してしまったので。
俺は、慌ててその後を追った。
そして、その時。
人だかりの真ん中で、その場に蹲っている人物を見つけた。
「大丈夫ですか?」
「誰か助けを、医者を呼ぶんだ!」
「しっかりしてください!」
多くの人々が、心配そうな、焦ったような声を出して、その人を助けようとしていた。
その人は、俺の知っている人物だった。
「えっ…あ、天音…!?」
イーニシュフェルト魔導学院の保健室の先生である、天音だった。
その天音が、地面にべったりと膝をつき。
苦しそうに、身体を震わせていた。
「ちょ、どいっ…どいてくれ!その人、俺の知り合いなんだ!」
声を張り上げながら、人混みを掻き分け掻き分けて進んだ。
「天音!大丈夫か…!?」
俺は、急いで天音に駆け寄った。
天音は苦しそうに、視線を上げてこちらを見つめた。
「…じ…りす…さ、ん…」
何とか言葉を発しようとしていたが。
天音の声は掠れて、ほとんど言葉になっていなかった。
「一人なのか?一体何があった?」
「な…ゅ、く…が…」
多分、今一生懸命説明してくれようとしてるんだろうけど。
小さく口をパクパクさせているだけで、何言ってるのか全然伝わってこない。
天音の目には、大粒の涙が浮かんでいた。
…一体…何が。
とにかく…手当てして、病院に連れて行かなくては。
「天音、しっかりしろ。すぐに病院に連れてくから」
と、言ったのだが。
天音は、必死に首を横に振った。
やめて、と言わんばかりに。
…え?
「く…いん、に…」
掠れた声で、必死に何かを訴えていた。
「が…い…ん、に…」
ごめん。なんか言ってんだろうとは思うけど、分かんねぇ。
「学院に帰りたいんだと思うよ」
と、ベリクリーデが言った。
「え、そうなのか?」
天音が、こくこくと頷いた。
合ってるらしい。
学院に、って…。イーニシュフェルト魔導学院のことだよな?
でも…。
「怪我…してるのに。まずは病院に行ってから…」
「ね…が…い」
天音は両手を合わせて、拝むようにして頼んできた。
病院じゃなくて、学院に連れ帰ってくれと。
そこまでして…。
「…分かった。行こう」
俺は、天音に肩を貸して立ち上がらせた。
ふらふらしながら、天音は何とか立ち上がった。
「ベリクリーデ、お前も手を…」
貸してくれ、と言おうとしたら。
「…」
ベリクリーデは、まったく明後日の方向を見ていた。
じー、と。
「ベリクリーデ…?」
「…偽物の人…」
「は?」
ベリクリーデの呟いた言葉の意味は、今の俺にはまだ分からなかった。
とにかく、オムライスどころじゃないのは確かだった。
ベリクリーデと一緒に、オムライスの店に向かっている途中だった。
「…何だ?」
なんか、妙にざわざわしてないか?
「ジュリス。あそこ、人がいっぱいいる」
「…そうだな…。…何だろうな?」
ああいうのは、下手に野次馬しない方が、
しかし。
「うーん…。…行ってみよーっと」
「あ、こら。野次馬はやめろって」
ベリクリーデが、勝手にちょこちょこと走り出してしまったので。
俺は、慌ててその後を追った。
そして、その時。
人だかりの真ん中で、その場に蹲っている人物を見つけた。
「大丈夫ですか?」
「誰か助けを、医者を呼ぶんだ!」
「しっかりしてください!」
多くの人々が、心配そうな、焦ったような声を出して、その人を助けようとしていた。
その人は、俺の知っている人物だった。
「えっ…あ、天音…!?」
イーニシュフェルト魔導学院の保健室の先生である、天音だった。
その天音が、地面にべったりと膝をつき。
苦しそうに、身体を震わせていた。
「ちょ、どいっ…どいてくれ!その人、俺の知り合いなんだ!」
声を張り上げながら、人混みを掻き分け掻き分けて進んだ。
「天音!大丈夫か…!?」
俺は、急いで天音に駆け寄った。
天音は苦しそうに、視線を上げてこちらを見つめた。
「…じ…りす…さ、ん…」
何とか言葉を発しようとしていたが。
天音の声は掠れて、ほとんど言葉になっていなかった。
「一人なのか?一体何があった?」
「な…ゅ、く…が…」
多分、今一生懸命説明してくれようとしてるんだろうけど。
小さく口をパクパクさせているだけで、何言ってるのか全然伝わってこない。
天音の目には、大粒の涙が浮かんでいた。
…一体…何が。
とにかく…手当てして、病院に連れて行かなくては。
「天音、しっかりしろ。すぐに病院に連れてくから」
と、言ったのだが。
天音は、必死に首を横に振った。
やめて、と言わんばかりに。
…え?
「く…いん、に…」
掠れた声で、必死に何かを訴えていた。
「が…い…ん、に…」
ごめん。なんか言ってんだろうとは思うけど、分かんねぇ。
「学院に帰りたいんだと思うよ」
と、ベリクリーデが言った。
「え、そうなのか?」
天音が、こくこくと頷いた。
合ってるらしい。
学院に、って…。イーニシュフェルト魔導学院のことだよな?
でも…。
「怪我…してるのに。まずは病院に行ってから…」
「ね…が…い」
天音は両手を合わせて、拝むようにして頼んできた。
病院じゃなくて、学院に連れ帰ってくれと。
そこまでして…。
「…分かった。行こう」
俺は、天音に肩を貸して立ち上がらせた。
ふらふらしながら、天音は何とか立ち上がった。
「ベリクリーデ、お前も手を…」
貸してくれ、と言おうとしたら。
「…」
ベリクリーデは、まったく明後日の方向を見ていた。
じー、と。
「ベリクリーデ…?」
「…偽物の人…」
「は?」
ベリクリーデの呟いた言葉の意味は、今の俺にはまだ分からなかった。
とにかく、オムライスどころじゃないのは確かだった。


