「相変わらず、あなたは良い人ですね」
ナジュ君…。…なんで、笑って。
今、そんなこと関係ないじゃないか。
「良いんですよ、僕のことは気にしないでください」
「…な、に…を」
「僕は不死身ですから。生きてさえいれば、きっといつか、また会える日が来ますよ」
…そうじゃない。
僕が言ってるのは、そういうことじゃないんだよ。
「だったら、あなたの命を守ることの方が優先です。…これは僕なりの罪滅ぼしですよ。かつて、僕があなたにしてしまったことを思えば…このくらい」
やめて。
ナジュ君、今そういうことを言ってるんじゃない。
そう言いたかったのに、痺れて、言葉が出なかった。
「大丈夫ですよ。令月さんとすぐりさんを連れて、いずれ必ず学院に帰りますから」
「…」
やめて。お願いだから。
いずれ、じゃなくて。今、何処にも行かないで。
ナジュ君までいなくなったら、僕は…!
「あなたは本当に優しい。…だから、あなたを守る為に僕は何でもしますよ。…僕達、友達ですしね」
そう言って、ナジュ君はにっこりと微笑み。
「分かりました。あなたに従います」
あろうことかナジュ君は、黒いフードの青年にそう言った。
…!
「だから、天音さんには手出ししないでください」
「…君が大人しくついてくるなら、彼の命は保証するよ」
黒いフードの青年は、僕の身体に突き刺っていたナイフを引き抜いた。
「かふっ…」
僕はそのまま、その場に膝をついた。
痛みも、出血も大したものではなかった。
だけど、身体が動かない。声も出せない。
僕達のただならぬ様子に、周囲がざわざわしているのが分かった。
「…それじゃ、天音さん。…あなたは、無事に学院に戻ってくださいね」
僕に向かって、ナジュ君はそう言って。
それから、くるりと踵を返した。
黒いフードの青年に連れられて。
「…ま…っ、て…」
何とか、必死に呼びかけようとした。
だけど、その声はひび割れているかのように掠れていて、ナジュ君には届かなかった。
待って。行かないで。
心の中で、必死に呼びかけたけど。
僕は引き止めることも、羽交い締めにして止めることも出来ず。
去っていくナジュ君の背中を、ぼんやりとした視界の中で見つめていることしか出来なかった。
ナジュ君…。…なんで、笑って。
今、そんなこと関係ないじゃないか。
「良いんですよ、僕のことは気にしないでください」
「…な、に…を」
「僕は不死身ですから。生きてさえいれば、きっといつか、また会える日が来ますよ」
…そうじゃない。
僕が言ってるのは、そういうことじゃないんだよ。
「だったら、あなたの命を守ることの方が優先です。…これは僕なりの罪滅ぼしですよ。かつて、僕があなたにしてしまったことを思えば…このくらい」
やめて。
ナジュ君、今そういうことを言ってるんじゃない。
そう言いたかったのに、痺れて、言葉が出なかった。
「大丈夫ですよ。令月さんとすぐりさんを連れて、いずれ必ず学院に帰りますから」
「…」
やめて。お願いだから。
いずれ、じゃなくて。今、何処にも行かないで。
ナジュ君までいなくなったら、僕は…!
「あなたは本当に優しい。…だから、あなたを守る為に僕は何でもしますよ。…僕達、友達ですしね」
そう言って、ナジュ君はにっこりと微笑み。
「分かりました。あなたに従います」
あろうことかナジュ君は、黒いフードの青年にそう言った。
…!
「だから、天音さんには手出ししないでください」
「…君が大人しくついてくるなら、彼の命は保証するよ」
黒いフードの青年は、僕の身体に突き刺っていたナイフを引き抜いた。
「かふっ…」
僕はそのまま、その場に膝をついた。
痛みも、出血も大したものではなかった。
だけど、身体が動かない。声も出せない。
僕達のただならぬ様子に、周囲がざわざわしているのが分かった。
「…それじゃ、天音さん。…あなたは、無事に学院に戻ってくださいね」
僕に向かって、ナジュ君はそう言って。
それから、くるりと踵を返した。
黒いフードの青年に連れられて。
「…ま…っ、て…」
何とか、必死に呼びかけようとした。
だけど、その声はひび割れているかのように掠れていて、ナジュ君には届かなかった。
待って。行かないで。
心の中で、必死に呼びかけたけど。
僕は引き止めることも、羽交い締めにして止めることも出来ず。
去っていくナジュ君の背中を、ぼんやりとした視界の中で見つめていることしか出来なかった。


