い…。
いつの、間に。
気が付かなかった。僕も、それにナジュ君も。
「あなたは…!」
ナジュ君が、すぐさま反撃しようとした。
しかし。
「動くな」
青年は、周囲に聞こえないよう。
僕らにだけ聞こえる小さな声で、そう呟いた。
抑揚のない、しかしはっきりとした声だった。
動きたくても、僕は動けなかった。
刺された痛み以上に、身体の内側から痺れるような感覚に襲われた。
…毒だ、と気づいたけれど、気づいた時にはどうすることも出来なかった。
「う…ぐ…」
何で、こんなことを。
「あなた…。…『アメノミコト』の暗殺者ですね」
心を読んだのだろう。
ナジュ君が、突然襲ってきた敵の正体を見破った。
「令月さんとすぐりさんを連れ去って…その上、天音さんまで…!」
「動くな、って言ったはずだよ」
「…」
ナジュ君は動けなかった。
僕の命を保証する為に。
毒を使われて、自分の意志で動けない以上。
僕の命は今、この青年の手のひらの上なのだ。
それが分かっているからこそ、ナジュ君も動けないのだ。
「こんな…ことをして、君は…何が目的、なの…?」
身体は痺れていたけれど、口は何とか動いた。
黒フードの青年が、僕に向かってこう言った。
「目的は君じゃない」
…え?
「僕の目的は…君だ」
青年は、ナジュ君をじっと見つめていた。
ど…どういう、こと?
「『終日組』暗殺者の思考さえ読める、優秀な読心魔法の使い手…。それに、不死身の身体…。充分に利用価値がある」
「…」
「一緒に来てもらうよ」
その言葉で、僕は青年が何を狙っているのか分かった。
僕の…命を人質に取ることで、ナジュ君を連れ去ろうと…!
間違いない。令月さんとすぐりさんも、きっと…こんな風にして、『アメノミコト』に連れていかれたんだ。
彼らがいなくなったのに…ナジュ君まで、『アメノミコト』に連れて行かれたら。
そう思うと、僕は叫び出しそうになった。
「だ…だめ、だよ。ナジュ君…!」
行っちゃ駄目だ。そんなことしたら…敵の思う壺だ。
「黙って。君に口を挟む権利はない」
「うぐっ…」
黒いフードの青年は、僕を黙らせる為にナイフを強く、ぐっと押した。
痛みよりも、痺れの方が強かった。
「な…じゅ、く…」
毒が、身体中に回ったのだろう。
ついに、口元が痺れて、呂律が回らなくなってきた。
だけど、ナジュ君は心を読めるから。
必ずしも言葉で伝える必要はない。
お願い、行っちゃ駄目だよ。ナジュ君。
行かないで…。令月さん達に続いて、君までいなくなったら…僕は、僕達は…!
「…」
ナジュ君は、間違いなく僕が心の中で、そう哀願していることに気づいていたはずだ。
そんなナジュ君は。
何故か、ふっと微笑んだ。
いつの、間に。
気が付かなかった。僕も、それにナジュ君も。
「あなたは…!」
ナジュ君が、すぐさま反撃しようとした。
しかし。
「動くな」
青年は、周囲に聞こえないよう。
僕らにだけ聞こえる小さな声で、そう呟いた。
抑揚のない、しかしはっきりとした声だった。
動きたくても、僕は動けなかった。
刺された痛み以上に、身体の内側から痺れるような感覚に襲われた。
…毒だ、と気づいたけれど、気づいた時にはどうすることも出来なかった。
「う…ぐ…」
何で、こんなことを。
「あなた…。…『アメノミコト』の暗殺者ですね」
心を読んだのだろう。
ナジュ君が、突然襲ってきた敵の正体を見破った。
「令月さんとすぐりさんを連れ去って…その上、天音さんまで…!」
「動くな、って言ったはずだよ」
「…」
ナジュ君は動けなかった。
僕の命を保証する為に。
毒を使われて、自分の意志で動けない以上。
僕の命は今、この青年の手のひらの上なのだ。
それが分かっているからこそ、ナジュ君も動けないのだ。
「こんな…ことをして、君は…何が目的、なの…?」
身体は痺れていたけれど、口は何とか動いた。
黒フードの青年が、僕に向かってこう言った。
「目的は君じゃない」
…え?
「僕の目的は…君だ」
青年は、ナジュ君をじっと見つめていた。
ど…どういう、こと?
「『終日組』暗殺者の思考さえ読める、優秀な読心魔法の使い手…。それに、不死身の身体…。充分に利用価値がある」
「…」
「一緒に来てもらうよ」
その言葉で、僕は青年が何を狙っているのか分かった。
僕の…命を人質に取ることで、ナジュ君を連れ去ろうと…!
間違いない。令月さんとすぐりさんも、きっと…こんな風にして、『アメノミコト』に連れていかれたんだ。
彼らがいなくなったのに…ナジュ君まで、『アメノミコト』に連れて行かれたら。
そう思うと、僕は叫び出しそうになった。
「だ…だめ、だよ。ナジュ君…!」
行っちゃ駄目だ。そんなことしたら…敵の思う壺だ。
「黙って。君に口を挟む権利はない」
「うぐっ…」
黒いフードの青年は、僕を黙らせる為にナイフを強く、ぐっと押した。
痛みよりも、痺れの方が強かった。
「な…じゅ、く…」
毒が、身体中に回ったのだろう。
ついに、口元が痺れて、呂律が回らなくなってきた。
だけど、ナジュ君は心を読めるから。
必ずしも言葉で伝える必要はない。
お願い、行っちゃ駄目だよ。ナジュ君。
行かないで…。令月さん達に続いて、君までいなくなったら…僕は、僕達は…!
「…」
ナジュ君は、間違いなく僕が心の中で、そう哀願していることに気づいていたはずだ。
そんなナジュ君は。
何故か、ふっと微笑んだ。


