神殺しのクロノスタシス7〜前編〜

だけど、諦めるのはまだ早い。

と言うか、そもそも諦める気はないけどな。

二人の死体を目の前に見せられたって、諦める気は毛頭ない。

「…シルナ」

「うん」

シルナの方を見ると、シルナは分かっている、という風に、こくりと頷いた。

そうだよな。

シルナがこういう時なんて言うか、長い付き合いでよーく分かっている。

「助けに行こう。彼らは私達の生徒であり、そして仲間なんだから」

「当然です」

真っ先に賛同したのは、イレースだった。

「私の授業をサボろうなど、良い度胸です。さっさと戻ってきて補習授業を受けさせなくては」

…うん。イレース。

頼もしいんだけど、怖い。

「帰ってこなかったら、ツキナさんも悲しみますしね」

「『アメノミコト』に戻るなんて、絶対、二人共望んでないはず。助けないと…!」

ナジュと天音もそう言った。

「…マシュリ、お前も同じ気持ちでいてくれるか?」

「冥界に来てまで、僕の心臓を取り返しに来てくれた…その恩を返す時が来たみたいだね」

そうか。

別にあいつらは、そのことを恩着せがましく思っていないだろうが。

だけど、マシュリに手を貸してもらえると心強い。

俺達はこれまで、散々、令月とすぐりに助けられてきた。

だから今度は…俺達が、助ける番だ。

「…待ってろよ、令月。すぐり」

お前達は、ちゃんとイーニシュフェルト魔導学院を卒業して、暗殺者としてではなく、普通の人間として生きていくのだ。

必ず、そうさせてみせる。