すると、ジュリスがこう問いかけてきた。
「お前ら…。つかぬことを聞くが、…天使を見なかったか?」
「え?」
天使?
「天使って…。…あれ?イーニシュフェルト魔導学院に来たっていう、リューイとかいう天使の方?」
「そっちじゃない。…この魔導隊舎でうろうろしてた方だ」
「…あー…。ね…」
クロティルダって天使ね。はいはい。
「事あるごとに、ジュリスが因縁つけてた天使ね…」
「は?」
「いや、何でもない。…そういや、最近見てねぇな…」
いつの間にか、ベリクリーデちゃんの傍に居て。
いつの間にか、自分もレギュラーメンバーです、みたいな顔で、聖魔騎士団魔導対に出入りしてたけど…。
…最近は、姿を見ていない気がする。
「ルイーシュ、お前見た?」
「さぁ。見てないですね」
「だよな…」
…わざわざジュリスが、目の敵にしているはずの、あのイケメン天使の所在を聞いてくるってことは。
「何?どっか行ったの?」
「…あぁ…」
ジュリスの顔が、ぐにゃりと歪んだ。
ひぇっ。
「あいつ…。何も言わず、突然消えやがった…」
怒りがふつふつと込み上げてきたらしい。
怖っ…。
「引っ掻き回すだけ引っ掻き回して…。何処行きやがったんだ」
「べ、別に…天界に帰ったんじゃねぇの?」
天使なんだから。
元々、あんな頻繁に地上に降りてくる方がおかしいんだよ。
しかし。
「だったら、ちゃんとそう言ってから消えろよ。突然、何も言わずに消えるもんだから…」
「…」
「この通り、ベリクリーデが落ち込んでる。本当何考えてんだ、あのクソ天使。今度会ったらぶん殴ってやる」
と言って、無意識に拳を固めるジュリス。
ちょ、意気込むのは良いけど、勢い余って俺まで殴らないでくれよ。
ジュリスのヤツ…天使のこと、あんなに嫌ってた癖に…。
その天使がようやくいなくなって、両手を上げて喜ぶどころか。
落ち込むベリクリーデちゃんを見たら、すぐこれだ。
ったく…。
「呼んでも来ないんです?」
「あぁ…。ベリクリーデが何度呼んでも来ない」
「そうですか…」
聞こえてないのか、それとも聞こえてても返事が出来ないのか…。
「何か、トラブルに巻き込まれてなければ良いけど…」
この時点で俺にとっては、アーリヤット皇国とキルディリア魔王国の戦争よりも。
目の前で、静かに天使に対して怒りを燃やすジュリスのとばっちりの方が、余程怖かった。
…なんて言っていられたのも、この時までだった。
「お前ら…。つかぬことを聞くが、…天使を見なかったか?」
「え?」
天使?
「天使って…。…あれ?イーニシュフェルト魔導学院に来たっていう、リューイとかいう天使の方?」
「そっちじゃない。…この魔導隊舎でうろうろしてた方だ」
「…あー…。ね…」
クロティルダって天使ね。はいはい。
「事あるごとに、ジュリスが因縁つけてた天使ね…」
「は?」
「いや、何でもない。…そういや、最近見てねぇな…」
いつの間にか、ベリクリーデちゃんの傍に居て。
いつの間にか、自分もレギュラーメンバーです、みたいな顔で、聖魔騎士団魔導対に出入りしてたけど…。
…最近は、姿を見ていない気がする。
「ルイーシュ、お前見た?」
「さぁ。見てないですね」
「だよな…」
…わざわざジュリスが、目の敵にしているはずの、あのイケメン天使の所在を聞いてくるってことは。
「何?どっか行ったの?」
「…あぁ…」
ジュリスの顔が、ぐにゃりと歪んだ。
ひぇっ。
「あいつ…。何も言わず、突然消えやがった…」
怒りがふつふつと込み上げてきたらしい。
怖っ…。
「引っ掻き回すだけ引っ掻き回して…。何処行きやがったんだ」
「べ、別に…天界に帰ったんじゃねぇの?」
天使なんだから。
元々、あんな頻繁に地上に降りてくる方がおかしいんだよ。
しかし。
「だったら、ちゃんとそう言ってから消えろよ。突然、何も言わずに消えるもんだから…」
「…」
「この通り、ベリクリーデが落ち込んでる。本当何考えてんだ、あのクソ天使。今度会ったらぶん殴ってやる」
と言って、無意識に拳を固めるジュリス。
ちょ、意気込むのは良いけど、勢い余って俺まで殴らないでくれよ。
ジュリスのヤツ…天使のこと、あんなに嫌ってた癖に…。
その天使がようやくいなくなって、両手を上げて喜ぶどころか。
落ち込むベリクリーデちゃんを見たら、すぐこれだ。
ったく…。
「呼んでも来ないんです?」
「あぁ…。ベリクリーデが何度呼んでも来ない」
「そうですか…」
聞こえてないのか、それとも聞こえてても返事が出来ないのか…。
「何か、トラブルに巻き込まれてなければ良いけど…」
この時点で俺にとっては、アーリヤット皇国とキルディリア魔王国の戦争よりも。
目の前で、静かに天使に対して怒りを燃やすジュリスのとばっちりの方が、余程怖かった。
…なんて言っていられたのも、この時までだった。


