ツキナの教室を出て。
「…手紙…か。怪しいな…」
「そうですね。十中八九、失踪の原因はそれでしょうね」
ナジュもそう思うか。
「その手紙…令月達の部屋に行ったらあるかな?」
「いや、残してないでしょう。さっき部屋に二人を探しに行った時も、それらしいものはなかったじゃないですか」
「…うーん…」
確かに。
それに、行き先の手がかりになるようなものを、あいつらが部屋に置き去りにするはずもなく。
…だけど。
思い当たる節が…まったくない、訳ではない。
「考えられるとすれば…やっぱりアレでしょうね」
「…」
ナジュが言う「アレ」とは、勿論…。
「…やっぱり、ジャマ王国から…『アメノミコト』から、コンタクトがあったのかもしれない」
二人が揃って、しかも俺達に黙って出ていくとしたら…考えられるのはそれくらいだ。
「あるいは、また懲りずにキルディリアの女王が接触してきたという筋も考えられますが」
「それもそうだけど…。だけど、イシュメル女王の目的はシルナだろ?わざわざ令月とすぐりに接触するとは思えない」
「ですよねぇ。寄りにも寄って令月さんとすぐりさん…。…となると、やはり『アメノミコト』関連ですかね」
あぁ。俺もそう思う。
これまで俺達は、色々な敵と相対してきた。
それは神の器を狙う者だったり、シルナの命を狙う者だったり、ルーデュニア聖王国を狙う者だったりした。
だけど、俺やシルナを無視して、令月とすぐりを狙う者。
そんな敵は限られる。…と、思う。
その候補として、真っ先に思いつくのは、
令月とすぐりがかつて所属していた…ジャマ王国の、『アメノミコト』という暗殺組織。
「『アメノミコト』は、裏切り者を絶対に許さない…。令月さんもすぐりさんも、そう言っていたでしょう」
「…あぁ」
「その裏切り者が制裁される時が来た…と、考えるのが妥当なのでは?」
そうだな。
…ふざけんな、くそったれ。
誰が裏切り者だ。ハナから、令月達のことなんて駒の一つとしか考えてなかった癖に…!
「それに二人の性格からして、仮に『アメノミコト』から接触されたとしても、僕らに相談したりはしないでしょう」
そうだろうな。
何が何でも、自分達だけで対処しようとするだろう。
二人の清廉な性格を、誰よりもよく知っているだけに。
それだけに…歯がゆくてならなかった。
「…何でだよ…!俺達はもう仲間だろ?それなのに…」
何で頼ってくれないんだ。何で一言も相談してくれなかったんだよ。
お前達の為なら、俺は喜んで命をかけた。
「えぇ、仲間です。…仲間だからこそ、巻き込みたくなかったんですよ」
「…それは…」
「…気持ちは分かりますよ。もし僕が二人の立場だったら、同じことを考えていたでしょうから」
「…」
お前も、意外と仲間思いで律儀な性格だからな。
「…意外と、って何ですか?」
「うるせぇ。それより…本当に、『アメノミコト』が令月達を連れ出したのか?」
「恐らくは。大方、ツキナさんに手紙…呼び出し状を託して、令月さん達に渡させたんでしょうね」
「何でそんな回りくどいことを…」
正々堂々、正面からかかってこいよ。
俺等が相手してやるから。
「彼らは暗殺者ですよ?影から闇討ちするのが仕事であって、正面から道場破りすることじゃありませんよ」
「あ、そ、そうか…」
キルディリア魔王国が、まさに正面からぶつかってきたもんだから…同じ感覚でいたが。
そうか。『アメノミコト』は…暗殺組織なんだ。
やり口が汚いのは、むしろ彼らにとって褒め言葉なのだろう。
「…手紙…か。怪しいな…」
「そうですね。十中八九、失踪の原因はそれでしょうね」
ナジュもそう思うか。
「その手紙…令月達の部屋に行ったらあるかな?」
「いや、残してないでしょう。さっき部屋に二人を探しに行った時も、それらしいものはなかったじゃないですか」
「…うーん…」
確かに。
それに、行き先の手がかりになるようなものを、あいつらが部屋に置き去りにするはずもなく。
…だけど。
思い当たる節が…まったくない、訳ではない。
「考えられるとすれば…やっぱりアレでしょうね」
「…」
ナジュが言う「アレ」とは、勿論…。
「…やっぱり、ジャマ王国から…『アメノミコト』から、コンタクトがあったのかもしれない」
二人が揃って、しかも俺達に黙って出ていくとしたら…考えられるのはそれくらいだ。
「あるいは、また懲りずにキルディリアの女王が接触してきたという筋も考えられますが」
「それもそうだけど…。だけど、イシュメル女王の目的はシルナだろ?わざわざ令月とすぐりに接触するとは思えない」
「ですよねぇ。寄りにも寄って令月さんとすぐりさん…。…となると、やはり『アメノミコト』関連ですかね」
あぁ。俺もそう思う。
これまで俺達は、色々な敵と相対してきた。
それは神の器を狙う者だったり、シルナの命を狙う者だったり、ルーデュニア聖王国を狙う者だったりした。
だけど、俺やシルナを無視して、令月とすぐりを狙う者。
そんな敵は限られる。…と、思う。
その候補として、真っ先に思いつくのは、
令月とすぐりがかつて所属していた…ジャマ王国の、『アメノミコト』という暗殺組織。
「『アメノミコト』は、裏切り者を絶対に許さない…。令月さんもすぐりさんも、そう言っていたでしょう」
「…あぁ」
「その裏切り者が制裁される時が来た…と、考えるのが妥当なのでは?」
そうだな。
…ふざけんな、くそったれ。
誰が裏切り者だ。ハナから、令月達のことなんて駒の一つとしか考えてなかった癖に…!
「それに二人の性格からして、仮に『アメノミコト』から接触されたとしても、僕らに相談したりはしないでしょう」
そうだろうな。
何が何でも、自分達だけで対処しようとするだろう。
二人の清廉な性格を、誰よりもよく知っているだけに。
それだけに…歯がゆくてならなかった。
「…何でだよ…!俺達はもう仲間だろ?それなのに…」
何で頼ってくれないんだ。何で一言も相談してくれなかったんだよ。
お前達の為なら、俺は喜んで命をかけた。
「えぇ、仲間です。…仲間だからこそ、巻き込みたくなかったんですよ」
「…それは…」
「…気持ちは分かりますよ。もし僕が二人の立場だったら、同じことを考えていたでしょうから」
「…」
お前も、意外と仲間思いで律儀な性格だからな。
「…意外と、って何ですか?」
「うるせぇ。それより…本当に、『アメノミコト』が令月達を連れ出したのか?」
「恐らくは。大方、ツキナさんに手紙…呼び出し状を託して、令月さん達に渡させたんでしょうね」
「何でそんな回りくどいことを…」
正々堂々、正面からかかってこいよ。
俺等が相手してやるから。
「彼らは暗殺者ですよ?影から闇討ちするのが仕事であって、正面から道場破りすることじゃありませんよ」
「あ、そ、そうか…」
キルディリア魔王国が、まさに正面からぶつかってきたもんだから…同じ感覚でいたが。
そうか。『アメノミコト』は…暗殺組織なんだ。
やり口が汚いのは、むしろ彼らにとって褒め言葉なのだろう。


